2006年07月18日

プレヴィンのショスタコーヴィチ#10&13

previn_shostako10_13.JPG

いやはや才人だ、プレヴィン!
私はこれまでプレヴィンの適性を完全に見誤っていたようだ。
こんなに共感に満ちたショスタコーヴィチを演奏していたとは。

もちろんロンドン・シンフォニーが頭抜けて優秀なオーケストラであることは知っている。
しかし、この演奏のすさまじい求心力は指揮者の曲への共感と理解なくしては不可能な演奏だ。調べてみるとプレヴィンはなんと1929年ベルリン生まれ(ドホナーニと同じ!)。9歳でパリに、10歳でアメリカに移っているため、ベルリンでの生活の影響はないかもしれないが、彼もまたユーラシア大陸の大戦と全く無縁なわけではない。

プレヴィンのショスタコーヴィチは、RCAにロンドン響との5番の古い録音があるらしい。
また、シカゴ響との4番と5番(EMI)、ロンドン響との8番(DG)があり、どれも「それなりに」いい演奏だ。
しかし、この10番と13番の炸裂具合は尋常ではない。西側のオケとか指揮者とか関係なく曲に寄り添っている。
バービ・ヤルの第2楽章「ユーモア」など、あまりにも真剣すぎてユーモアのかけらもない演奏だが、それがそのままユーモアになっている。
ちなみに合唱指揮がリチャード・ヒコックス。合唱のはじけ具合も尋常でない。合唱の精度を追求するのでなく、「群衆」そのものを表現しているかのようだ。

なお、ドクター円海山氏のブログによれば、先日再発されたコンドラシンとバイエルン放送響の13番のライブは、プレヴィンのキャンセルによる代役だったとのこと。プレヴィンが普通に演奏していたら、こうして発売されることはなかったろう。
プレヴィンのスタジオ録音と偶然によって成されたコンドラシンのライブ録音を並べて聴けることになったのは、結果的に現代の我々音楽好きにとってとても幸運なことだ。

不思議なのだが、何でこれだけの演奏が話題にならないんだ?

Dmitri Shostakovich
Symphony No.10 in E minor, op.93
André Previn
London Symphony Orchestra
EMI, 1982.7

Symphony No.13 in B flat minor, op.113, "Babiy Yar"
André Previn
London Symphony Orchestra
Dimiter Petkov, bass
London Symphony Chorus
Richard Hickox, Chorus Master
EMI, 1979.7


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