2006年07月30日

ドホナーニのオランダ人

dohnanyi_hollaender.jpg

ウィーン・フィルとドホナーニのオランダ人。いつものドホナーニとは相当違う演奏だ。

ドホナーニとウィーン・フィルのオペラの演奏ではルル、サロメ、フィデリオを持っており、ドホナーニのワーグナーはクリーブランドとのラインゴールドを持っている。いずれも、いつものドホナーニらしくたるみのない演奏。
しかしこのオランダ人、たるみ、にごり、もっさり感など、ドホナーニらしからぬ特徴がいろいろある。アンサンブルをコントロールしようとしていない。しかしそのネガティブな表現がなぜか演奏の哲学性につながっている(ほんとうか?)。

序曲からして、のったりと遅く重量級の演奏で、そのまま全曲を通じてオケはその遅さを喜びと感じ(?)、ひたすら緊張感と強烈なダイナミクスを表出する。
普通に聴いたらとても「いい演奏」などとは言えないだろう。しかしこのオケのがんばりは何なんだろう。先生にひたすら難しい宿題を与えられて必死に解いているような感じ?(意味不明)

歌手のことは詳しく分からないが、舵取りのウヴェ・ハイルマンは最高。ゼンタのベーレンスはおばちゃんっぽい。オランダ人のロバート・ヘイルは強さよりも悩みが濃い。ダーランドのクルト・リドルは逆に、強い。
合唱はすばらしい。2幕初めの女声合唱がとてもかわいい。3幕初めの男声合唱は、マッチョ。力こぶできてます。
だが、この演奏で重要なのは歌のうまさとか何とかじゃないんだろう。なんだかみんながひたすら悩み、考え、解決策を見出そうとしている。そしてもちろん何も解決されない。
終幕あたりでオランダ人とゼンタとエリックが歌う場面。3人が好き勝手に歌っているさまは、取り乱してもう何がなんだか分からなくなってしまった3人の心をそのまま表しているようだ。

ともかく意味不明の「名演」だ。というかダメダメな演奏という人があっても一向に不思議ではない。でも、こういう風な演奏を狙ってすることは、普通はできない。

Richard Wagner
Der fliegende Holländer

Der Holländer: Robert Hale
Senta: Hildegard Behrens
Erik: Josef Protschka
Daland: Kurt Rydl
Der Steuermann: Uwe Heilmann
Mary: Iris Vermillion
Konzertvereinigung Wiener Staatsopernchor(Director: Prof. Norbert Balatsch, Prof. Helmuth Froschauer)
Repetiteur: Theodor Greß
Assistant conductor: Ralf Hossfeld
Wiener Philharmoniker
Christoph von Dohnányi

DECCA, 1991.3-11, Großer Saal, Konzerthaus, Wien


広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。