2006年09月14日

演奏に必要なこと

13日はヴァイオリンとオーボエのコンサート。ドイツで学ぶ鳥取出身の二人の女性が鳥取でコンサートを行ったもの。
全体としてみれば満足できるコンサートだった。

コンサートを聴きながら考えたのは、演奏に必要なことは何か、だ。

そう、「ヴィジョン」だ。もちろんテクニックも必要だし、スタイルも必要だ。でも、それらを決めるヴィジョンがなければ、音楽として成立しないのではないか。
ヴィジョンがスタイルを決め、スタイルがテクニックを決める。

つまりこうだ。バルトークの演奏像が確立すれば、バルトークの演奏スタイルを決めることができる。そこで純正律なのか平均律なのか微分音なのか、レガートなのかスタッカートなのか決められる。そこで初めてどういうテクニックでそのスタッカートなり微分音なりを演奏すべきか決まるわけだ。
楽譜という便利なテキストがあるおかげで、テクニックから演奏を決めてしまいがちになるが、それでは結局本質にたどり着かないだろう。

このたびのコンサートでよかったのが、三善晃のヴァイオリンのための「鏡」。バリバリのゲンダイオンガクなのに、日本人にはスタイルが捉えやすいのだろう。また、バッハのヴァイオリンとオーボエのための協奏曲も、ドイツの教会で毎週聴くカンタータのように、「日常」というスタイルが聴けた。

ヴィジョンの確立に近道はない。音楽の勉強と、音楽以外の勉強を地道にするしかない。あれだけ演奏できるのだから、がんばってほしいなあ。

ところで。今回の演奏会は、コアなクラシック関係者が3割くらい、親戚友達関係者が7割くらいだったんだろうと思う。当然後者はゲンダイオンガクなんて存在も知らないだろう。三善晃が不協和音で始まった途端、本当にものの5秒くらいで、ざわめきが消えて客席が凍り付いてしまった。なんだか「自分の知ってる音楽とは違う何かが始まった」という感じ。でもおかげで静かに聴けてよかった。


ラベル:音楽会
posted by tak at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽的思索 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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