2006年09月23日

シブミ/トレヴェニアン

shibumi.JPG

私はもともと村上春樹フリークで、彼の著作はほとんどすべて読んでいるが、村上フリークの半分以上を占めると思われる「世界の終りとハードボイルドワンダーランド以前しか認めない派」である。

それはともかく、スコット・フィッツジェラルドにしてもサリンジャーにしてもロバート・アルトマンにしても、彼の著作で知った作家や映画監督がとても多い。
トレヴェニアンもその一人。

すでに「バスク、真夏の死」と、たぶん「夢果つる街」も読んだし、アイガー・サンクションは映画で見た。

そこでこのシブミ。圧倒的な世界の構築。これまでの作品と違って、複数の時制と場面を克明に描き分ける。
世界が複数ある分だけ、ある種の「荒さ」が見えるのが残念だが、それが原著の問題か翻訳の問題かはよく分からない。
結末は、成るべくして成った、というような納得というかホッとする展開。でも、これは映画にはできないな。映像化することでいろんな機微がすべて失われてしまいそうなくらい、文字の力を感じる文章だ。

ちなみにシブミ=渋みである。原題もSHIBUMI。そう、この小説は圧倒的な日本論でもあるのだ。


ラベル:日記
posted by tak at 00:39| Comment(4) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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