2006年10月19日

クレンペラーの大地の歌

klemperer_erde.JPG

1楽章
そっけない?
いやむしろむせるようなロマン。しかもインテンポの中で。
ヴンダーリヒ、万全。

2楽章
寂しさとはこのことだ。オーボエの入れ込み具合。トリスタンの3幕のアングレを思いだす。
この演奏は中学生の頃から聴いているが、ルートヴィヒの良さがどうしても分からなかった。今は分かる。頭で作った音楽を心で表現する。

3楽章
転びそうな遅さ。この部分は66年録音なのか?
この遅いテンポでもヴンダーリヒは若々しく伸びやかで潤いのある音楽を作る。

4楽章
この楽章も遅い。遅すぎてルートヴィヒが転びそうになっている。でも音楽のつくりはさらに立派になっている。オケは非常に流れが良い。
オケがこういう音楽を作るために指揮者は何をどうすればいいんだろうか。何もせずとも、リズム感良くビートを刻むだけで充分なのかもしれない。しかしその良いリズム感を指揮者が得るための鍛錬が重要なのだ。

5楽章
押すところ引くところ、本当にオケが良く心得ている。最後の最後はオケは走りたいのに指揮者は走らせてくれない。

6楽章
悲劇的の4楽章を思わせる重さで始まる。ここでオーボエの独擅場。
音楽の流れとかアンサンブルとかだけでなく、湿り気とか、心の揺れとか、憧れとか、誇らしさとか、いろんなニュアンスが聴こえてくる。
クレンペラーは即物的だとか機械的だとか言われるが、ここでは一切そんな様子はない。ロマンに満ち、表情豊かな演奏だ。
ルートヴィヒもますます表情の影が濃くなる。
クラリネットソロはあざとい。が、それもまた面白い。

大地の歌を聴いたのは久しぶりではないが、こんなに集中して聴けたのは久しぶりだ。改めて素晴らしい演奏であることを確認できた。


Otto Klemperer
Christa Ludwig, Fritz Wunderlich
Philharmonia Orchestra, New Philharmonia Orchestra

Gustav Mahler
Das Lied von der Erde

EMI, 1964.2.19-22, 1964.11.7-8, 1966.7.6-9


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