2006年11月12日

N先生の音楽的禅問答

鳥取が誇るヴァイオリニストであるN先生には、ジュニアオーケストラの指導をしていただいている。
ジュニアオーケストラ自体が、私を含む市響のメンバー3人でN先生にお願いして創設したものなので、創設以来の指導者である。

N先生の指導の特徴は「考えさせる」こと。

「こっち(試演A)とこっち(試演B)とどっちがいいと思う?」と子供たちに問いかけることが多くて、「どっちもいい演奏に聴こえるんですけど」と思うことがしょっちゅうだ。
それでも、よくない演奏の理由を聞いた後ならその違いがちゃんと分かる。つまり、演奏の良し悪しを決定付ける要素はいろいろあるわけだが、それを知っておかないことには良し悪しの区別もつけられないし、当然自分で演奏を構築することもできないわけだ。

今日の問いかけはさらに高度。というか禅問答だ。

その1
「クレッシェンドとかデクレッシェンドは、どうしたらいい?」
どうしたらって言われても、質問の意味がよく分からないんですけど。。。とか思ってたら答えは「拍ごとに分けて考えて変化をつける」。つまり、3拍かけてするクレッシェンドなら1拍目は気配だけ見せて、2拍目には音量変化が聴こえるようにして、3拍目にはしっかり大きく、とか。
ああ、確かにそうやってるな。しかも、その答えを聞くための質問は確かにその禅問答のような質問になるわな。

その2
「外声って、どういう役割だと思う?」
骨格を作ることかなあ、と思っていたら、「ファースト・ヴァイオリンはメロディだよね。チェロとかバスは、和音の根音であることがほとんどだよね。でもそればっかりだと悪い進行になることがあるから、和音のほかの音を割り当てることがあるんだけど、どの音を割り当てるかは『音のつながりがメロディになるように』決めるのね。ということは、チェロバスもメロディなの。だから、ただの伸ばしであってもきちんと歌わないと」
なるほど!!

そして、「いつもやってることだけど言えないってことはちゃんとできてないってことでしょ」。ああその通り。
つまり、何の気なしにやっててもそれを言語化できないとしたら理解できていないのと同じだということ。
まずは差異を判別し、さらにそれを言語化する。それができて初めて自分で演奏を作れる。インスピレーションがどうのっていうのは、それができた先の話だ。

こんな指導に一緒に立ち会えるというのは幸せなことだ。


ラベル:オーケストラ
posted by tak at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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