2007年03月06日

セルのブルックナー/1951年コンセルトヘボウの8番

szell_bruckner8_coa51.JPG

クリーブランド・オーケストラの黄金時代を築いたジョージ・セルは、ブルックナーの交響曲をわずかながらレパートリーにしていて、3番と8番は複数の録音が出ているし、7番はウィーン・フィルとの録音がある。
中でも、クリーブランドとスタジオ録音した8番は、一般に高く評価され、途切れることなくカタログに載ってきている。

私もこの8番は3番とのカップリングのもので持っているのだが、私にはこの2つであれば3番の方がいい演奏に聴こえるのだ。
そうしたところ、コンセルトヘボウとの録音やらクリーブランドとのライブやら、いろいろ出てきた。そういうのを買って聴いていると、セルの指揮振りも、時代、おけ、シチュエーションによってずいぶん違うことがわかる。

というわけで、セルのブルックナーを聴き比べしてみたい。

まずは、私の持っている最も古い録音である、コンセルトヘボウとの8番。
オランダ・フェスティバルの機会に客演したときのものとのことだ。
解説によれば、すでに出版されていたハース版を使わず、1930年代にベイヌムが使ってオケも慣れている1892年出版の改訂版を使っているとのこと。このころ改訂版を使っていたのはセルとクナッパーツブッシュくらいだ、なんてことも書いてある。
改訂版によるクナッパーツブッシュやシューリヒトの演奏も聴いていて気が付かなかったが、この演奏では、カットした部分でつなぎみたいな不思議な音楽が1小節ずつくらい演奏されていて、それはまあ良いんだが、そんなつなぎのところで必ずオケの演奏がメロメロになってしまっている。なんなんだこれは。

まあそんなことは金子建志氏に任せて、演奏を聴く。
やはりコンセルトヘボウは上手いオケだ。このころはベイヌムの時代であり、1948年録音のオケコンやハルサイなど、ゲンダイオンガクでも技術的な不安を全く感じさせない音楽を作っていた時代だ。ヴァイオリンはポルタメントをかけまくっている。
しかし、どうにもこの演奏は締まりがないように感じる。セルのブルックナー解釈は安定しているし、それはまた古臭くもない、現代に通じるものだ。それでもなんとももっさりした音楽で、自分のオーケストラでの演奏とはちょっと違う。オケをコントロールし切れていない。おそらく音楽祭への客演ということで、満足にリハーサルの時間も取れなかったのではなかろうか。
もちろんコンセルトヘボウの音は美しいし、セルもそれを十分に引き出している。それでも、コンセルトヘボウを聴くならベイヌムを、セルを聴くならクリーブランドを買うべきだ。この演奏は私みたいなヲタクが聴いて喜んでいればよい。ちなみに、録音は悪いんだが、ヲタクにとってはなんら苦にならない、といったところ。
このオーディオファイル・クラシクスのCDは4〜5枚持っているが、こんな演奏ならわざわざ出さなくてもいいのにな、というものが多くて困ってしまう。


Georges Szell
Concertgebouworkest

Anton Bruckner
Symphonie Nr.8 c-moll

1951.6.28

AUDIOPHILE CLASSICS


posted by tak at 00:30| Comment(2) | TrackBack(0) | ジョージ・セル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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