2007年03月18日

友達

tomodachi.jpg

鳥取県文化財団主催の演劇「友達」を見た。鳥取県民文化会館小ホール。
安部公房作の戯曲で、鐘下辰男演出。

私は演劇に関しては完全に素人である。まともに演劇を見たのは3回目。カンドー!とかそういうのではないが、じっとり(?)と面白かった。

恥ずかしながら安部公房の作品を読んだことはないのだが、安部公房=不条理劇の印象がまさにこの作品を見ただけで首肯できるほど強烈な作品であった。
20世紀音楽と20世紀美術が大好きな私にとって、不条理劇はドキドキするくらい刺激的である。この「友達」についても、せりふのひとつひとつを取り出して見てもどれ一つとして不条理なものはないのに、それらが組み合わさるとどうにも常識とかみ合わないことばかり。
安部公房のこの作品が素晴らしいのは、さらに不条理だと思っていたそのストーリーが、ふと日常と焦点が合って見えそうになるリアリティだ。病理と思っていた事象は自分が病気だからこそそう見えている(あるいはそうは見えない)というような。

ストーリーの根幹は、婚約者もいる一人暮らしの若い男性が引っ越してきたばかりのふた間のアパートに8人家族が突然上がり込んできて孤独はよくないことだから私たちが友達になるんだとかなんだかんだとやりとりをする。
若い男性は一度はハンモックで、二度目は鉄格子の檻で隔離される。そのあたりになると、8人家族が若い男性を救済する(?)ためにやってきたかのような会話になっていて、最後に若い男が毒殺される。
何なんだこの話は。

ステージの使い方が面白く、ファッションショーみたいに客席に突き出る感じでステージを張り出させて、それを三方から客が見る感じ。小道具類は最小限。

演技については、多分皆さんプロではないと思うが、とてもよくがんばっていた。1人セミプロの方がおられて、やはりその人がしゃべれば、ホントはこうなんだというのが分かっちゃうのだが、それでもみんなとてもよくやっていた。
ギターを弾く人がいたのだが、台本でもほんとにギターを弾く人になっていてそういう役者を選んだのか、役者がギターを弾けると分かって演出上そうしたのか、どちらなんだろう。

さて、演劇の演劇的身振りで気になること。
何で演劇ってあんなにタバコ吸うシーンがあるんだ?客席の飲食喫煙は禁止とか言いながらなんでステージではタバコ吸っていいんだ?表現の自由か。
仮に生涯一度もタバコをすったことがなくてすいたくない俳優がそういう役柄になったときはやっぱり吸わなきゃいけないのか?俳優はそうじゃなきゃだめなのか。それとも肺に入れないタバコの吸い方の演技を教えてもらえるのか。なんか納得いかない。
ちなみに今日の演劇ではウィスキーを壜でラッパ飲みするシーンがあって、最初はウーロン茶だろうと思っていたら本物のウィスキーのようだ(においがした)。友人が出てて、アルコールは全然飲めないと聞いていて、それでも飲んでいた(ように見えた)ので、俳優も大変だなと思ったしだいである。

もうひとつ、納得いかないのが、劇中で新聞を朗読するシーンがあって、今日の新聞を読むのだ。
設定は多分40年前くらいで、せりふの言い回しは当時のまま、お金も百円札とか使って時代考証的なこともやっているのに、新聞だけ今日の出来事ではつじつまが合わないのではないか。

ところで、私の目の前で鳥取在住の演劇の巨匠が見ておられて、誰も笑わないようなタイミングで笑っておられてそれがおかしかった。というか笑うところはいっぱいあるのにだれも声出さないのね。
「もう53回も侮辱されました」(くくっ、そんなの数えてんなよ)とか、「トップ屋」(くくっ、そんな古い言葉今の人知らないって)とか(カッコ内は私の想像です)。なるほど。

18日も午後2時からあるので、近隣の方はぜひ県文小ホールへ。満員では入れないかもしれませんが。私も本当は見たいが練習で行けないのが残念だ。


ラベル:日記
posted by tak at 00:15| Comment(2) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。