2007年06月14日

ドホナーニのブラームス

dohnanyi_brahmscycle.JPG

ようやく聴けたドホナーニのブラームス全集。
最初は単売で、しばらく前は2枚組み×2セットで出ていた交響曲全集(後者は+ヴァイオリンコンチェルト)であったが、しばらくは廃盤であった。
最近になって、この紙ボックス入りのセットが出た。このシリーズは他にアーノンクールのベートーヴェン全集(14枚組)やヴェンゲーロフ録音集(11枚組)、レーピン録音集(10枚組)、グリモー録音集(6枚組)があるようだ。

さてこのブラームス全集。解釈的には至って普通だし、演奏も破綻なく普通なのだが、どう聴いてもただのスタジオ録音に聴こえない。編集跡だってあるし、ミスも破綻もないので一発録りのわけはないのに、なぜか一発録りに聴こえるのだ。

おそらく、出たとこ勝負の録音なのだろう。特に事前にテンポ設定や細かい解釈上の指示をするでもなく、また細かい練習をするでもなく「せーの」で録音し始めちゃったんじゃないだろうか。ブラームスなんてメンバー全員身についているだろうし。
それでも、慣習的な解釈が慣習的でなく聴こえるというのは、演奏の慣習化を許さず、奏者の自由を許さない指揮だからだろうと思う。テンポももしかしたら振るたびに違うかもしれないし、その場その場で奏者は指揮にあわせていかなければならない。相当の緊張感であり、自然とモチベーションを上げねばやっていけないのだろう。
結果、すっきりとしてかつテンションが高く保たれた、極上の演奏が生まれている。過激な演奏しか受け入れられない某評論家のような人にはさっぱり分からない演奏だろう。

最後に、ヴァイオリン・コンチェルトについて。ツェートマイヤーの解釈というか演奏は相当「変」である。テンポは自由だしフォルムはゆがむし酔っ払いのように歌うし。それでも音楽としては破綻していない。淡々と苦もなく寄り添っていく指揮者とオケも見事である。融和感は一切ないがそれはそれでよい。そういう演奏は他にいろいろあるのだし。

というわけで、ドホナーニファン(何人いるんだ?)必携の1組である。


Christoph von Dohnányi
Cleveland Orchestra

Johannes Brahms

Disc 1
Sinfonie Nr.1 c-moll, op.68
1986.10
Akademische Festouvertüre, op.80
1989.10

Disc 2
Sinfonie Nr.2 D-Dur, op.73
1987.12
Tragische Ouvertüre, op.81
1988.5

Disc 3
Sinfonie Nr.3 F-Dur, op.90
1988.5
Violinkonzert D-Dur, op.77
Thomas Zehetmair, violin
1989.10

Disc 4
Sinfonie Nr.4 e-moll, op.98
1987.5
Variationen über ein Thema von Joseph Haydn, op.56a
1987.12

Masonic Auditorium, Cleveland, Ohio
Teldec


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