シンフォニーが飛びぬけて有名で、コンチェルトと木管五重奏が局地的に有名なニールセンの、なぜ有名にならないのか不思議なほど傑出した管弦楽曲集。
本当は管弦楽曲集なんて無味乾燥な言い方をしたくない。ストーリー的な要素の強い音楽ばかりなので、むしろロマンティック音楽集といったほうがいいような気がする。
そう言いたくなるほど、音楽自身が物語を編んでいくような曲である。
曲名の日本語訳はこんな感じ。
仮面舞踏会
狂詩的序曲「フェロー諸島への幻視旅行」
ヘリオス
サガの夢
パンとシランクス
アラディン
これだけまとまったニールセンの曲集もなかろうが、現在廃盤中。
演奏については、もうちょっと練習を積んで録音してほしかった、という感じだ。例えば、第4交響曲なんかはエーテボリもけっこうやる機会があるだろうから、曲が手の内に入っているのが聴いて分かるんだが、この曲集の曲は弾けてはいるけど手の内には入っていないようだ。
それでも、アラディンの東方祭行進曲とかニグロ・ダンスとか、体が心からリズムを取りたくなるような本能を揺さぶる音楽はけっこういけてる。これらはベルリン・フィルのヴァルトビューネでも取り上げていたが、どのオケでもノリノリでできちゃう曲だろう。この脳天直撃おバカ系音楽をもっとみんなに聴いてほしいなあ。
「サガの夢」の印象的な金管のコラールも美しい。
ちなみにヤフオクで入手。
Carl Nielsen
Maskarade FS 39
Rhapsodic Overture: A Fantasy Journey to the Faroes FS 123
Helios Overture FS 32
Saga-Dream FS 46
Pan and Syrinx
Aladdin
1995.5
Göteborgs Symfoniker
Neeme Järvi
DG