2007年09月16日

スクロヴァ先生と読響

9月15日、6時、シンフォニーホール。スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ先生指揮の読売日本交響楽団定期演奏会(大阪)。

2時半過ぎまで鳥取で会議に出席して中座し、急いで車を飛ばしたが中国自動車道の宝塚あたりで渋滞につかまり、会場には5分遅れで到着。

1曲目のモーツァルト作曲ブゾーニ編曲の「ドン・ジョバンニ」序曲は、会場外のモニターで聴いた。ゴージャスな演奏、という以外には良く分からず。

2曲目はルトスワフスキの交響曲第4番。オケコンなんかの方が盛り上がったろうに、これがスクロヴァチェフスキのこだわりなんだろう。22分、陰鬱で静かな、時に炸裂する緊張感に満ちた音楽。
簡単な曲ではないのにオケは危なげ無し。

3曲目は、ブルックナーの交響曲第3番のノーヴァク番第3稿。
これが危なげ有りまくりのスリル満点の、しかしながら大名演。スクロヴァチェフスキのブルックナーは、2000年に2番をチューリッヒでトーンハレ・オーケストラの演奏で聴いた。基本的なコンセプトはこのときと全く変わらない。
つまり、メロディ、対旋律、リズム、ベースそれぞれに権限を持たせ、自由度を持たせて歌わせる。つじつまを合わせるようなタイプの演奏では全然無い。
これがブルックナーの初期では大きな問題で、細かい8分音符の動きが金管の咆哮とかぶさって、簡単に縦の線がずれそうになってしまうのだ。今回の演奏でも、やばいかも、見たいな所はいくつかあったが、指揮者と演奏者がケアすることで事なきを得た。
それにしても、スクロヴァ先生の「歌」には惚れ惚れしてしまう。第1楽章の第2主題、第3楽章トリオなど、弦の歌は特にリミッター解除して歌わせる。
そして、各メロディーそれぞれが持つ雰囲気や意味、位置づけをきちんと表現させる。それによって、ブルックナーが3番で描いたストーリーが浮かび上がってくる。惜しむらくは、リハの時間が足りなかったためか、今の段階ではあくまでもストーリーが見えそうで見えないこと。また、4楽章第2主題のトロンボーンのコラールなど、演奏中でも盛んに「小さく!」というようなしぐさをしていたが、バランスオタクのスクロヴァ先生の音量バランスが設計どおりでないところがあること。それでも4楽章第1主題でなんとフルートを聴かせるために金管を抑えるなんてことを実現していた。
全体にスタミナ配分のためか音量は小さめだったが、4楽章コーダだけはリミッター解除してアシにも全員吹かせ、見事な大伽藍を築いていた。会場は大喝采。この、「いわゆるブルックナーファン」向きでは全然無い演奏に会場も同意してくれて嬉しかった。一般参賀あり。
編成は弦は16型。管は標準の2管編成に、ホルンとトロンボーンの1番にアシ、トランペットは1,2番とも倍管。
トーンハレ・オーケストラの演奏のときとコンセプトは変わらないと書いたが、クリスタルのような峻厳な演奏であったトーンハレとは少し違う、人間味に満ちた演奏だった。これはもちろんオケの個性もあろうが、オケの技術水準の問題もあろう。トーンハレは本当に上手かった。そしてリハーサルの時間もあろう。だから、18日の東京公演では、よりスクロヴァ先生のコンセプトに近付いた演奏が実現されるのではなかろうか。
オケは全体に音程が良く、ホルンのトップとセクションとしてのハーモニーが印象に残った。そして揺るぎなきコントラバス。さらには歌いまくりのヴィオラ。スクロヴァ先生の語法に慣れてくればまた違った魅力が出てくるであろう。


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