2008年02月20日

エルガーのピアノ協奏曲

elgar_pianoconcerto1.JPG elgar_pianoconcerto2.JPG

2月10日のBS-2のクラシックロイヤルシートで、エルガーのピアノ協奏曲のスケッチから補筆完成版を制作したというテーマのドキュメンタリーがあった。
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2008-02-10&ch=12&eid=34537
米子管弦楽団の本番後にも関わらず(翌日は休みなのをいいことに)、結局リアルタイムで全部見てしまった。
見ながら、第1楽章の冒頭のテーマがあんまり素晴らしくて、その場でHMVにCDを発注してしまった。CDがすでに出ていたのはもちろん知っていたが、ちょっとゲテモノっぽく感じてしまって、まだ買っていなかったのだ。
CDは、そのドキュメンタリーのメンバーと同じ演奏者。

ライナーノートによれば、エルガーは亡くなる21年も前からピアノ協奏曲を作曲しようとしていたらしい。交響曲第3番も並行してスケッチを書いていたようで、ピアノ協奏曲の第3楽章のテーマが交響曲第3番の第4楽章にも転用されている。
ピアノ協奏曲のスケッチと、オーケストレーションされた断片、さらにはエルガーがピアノで即興演奏したものが録音されていたもの(1975年に初めて公開された)、それらを素材として、ロバート・ウォーカーという作曲家がついに演奏会用のスコアを完成させた。それにはアンソニー・ペインが交響曲第3番を非常にエルガーらしく完成させたのも原動力になったらしい。

曲としては、エルガーっぽくないパッセージもいっぱいあるのだが、実はそれは全部エルガー自身のスケッチや即興演奏によるものであり、それもエルガーの知らなかった(私だけ?)一面なのだ。それをつないだ大部分は事実上ロバート・ウォーカーの作曲で、展開部はほとんどそうらしい。にもかかわらず、1曲の音楽として非常に完成度が高く、素直に聴ける。特に、第1楽章の格調の高さは、エルガーの曲の中でも屈指のものではなかろうか。

ドキュメンタリーの中では、ロバート・ウォーカーが「ピアニストのノリスが3楽章を私に無断でカットして演奏してしまったんです」とかなんとか怒り気味に言っていたのだが、ライナーの中の写真に3人がいっしょににこやかに写っているのを見ると、和解はしたのだろう。右上が作曲家のロバート・ウォーカー、右下がピアニストのデイヴィッド・オーウェン・ノリス、左が指揮者のデイヴィッド・ロイド=ジョーンズである。

演奏は万全である。ピアニストのノリスのテクニックは特筆すべきもので、この巨大で複雑なピアノ協奏曲をなんの技術的困難さも感じさせずにすんなりと聴かせる。オケも知らない曲とは思えないような雰囲気である。

ピアノ協奏曲以外にも、いろいろな編曲物が収録されている。
最後の指揮者として有名なアンソニー・コリンズ(モノラル時代のシベリウス録音が特に有名)が作曲した「エルガーの追憶によるエレジー」は、エルガーの交響曲第3番の第3楽章のテーマを使ったもの。補筆完成が検討される以前に、この曲を紹介したくて作曲したものかもしれない。ちょうどゴットフリート・フォン・アイネムがブルックナーの交響曲第9番の未完の第4楽章のテーマを使って「ブルックナー・ディアローグ」と言う曲を作曲したみたいに?


Sir Edward Elgar

Piano Concerto (realized by Robert Walker)
Suite of Four Edward Elgar Songs (orchestrated by Haydn Wood)
Adieu (orchestrated by Henry Geehl
So Many True Princesses (orchestrated by Anthony Payne)
Spanish Serenade op.23
The Immortal Legions

Anthony collins
Elegy in Memory of Edward Elgar


David Owen Norris, piano
BBC Concert Orchestra
Dadid Lloyd-Jones

2004.10.18-19, Abbey Road, London
DUTTON


posted by tak at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 買ったCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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