2009年02月21日

CHANDOS30_08 23マリス・ヤンソンスのチャイコフスキー#5

CHANDOS30_08_23jansonstchai5.JPG

CHANDOS30周年記念ボックスの録音を、年代順に、その年の私の思い出とともに振り返る第8回。23枚目の、マリス・ヤンソンスがオスロ・フィルとともにCHANDOSに収録したチャイコフスキーの交響曲ツィクルスの、多分初回の録音。チャイコフスキーの交響曲第5番。
http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%208351

私の年代の人間であれば、ヤンソンスと言えば息子のマリスの方を指すが、もちろん父親のアルヴィド・ヤンソンスも有名で、最近もCD化が進んでいるので、紛らわしくないように、面倒でもフルネームで書く。

私にとってマリス・ヤンソンスは今でも、86年のレニングラード・フィルの来日にムラヴィンスキーの代わりに振りに来て、チャイコフスキーの交響曲第4番の爆演を成し遂げた指揮者、という枠からほとんどはみ出していない。
ちなみにこのときのムラヴィンスキーの直前キャンセルは、ムラヴィンスキー本人によれば、ソヴィエト当局から外国旅行の許可が下りなかったためらしい(図書館で借りた本なので書名が分からない)。「病気説」は当局が流したデマだそうだ。

久しぶりにこの1986年10月19日のサントリーホールでの演奏を聴いてみた。この公演についてはこんなサイトもご参照を。
http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page245.html
http://www3.realint.com/cgi-bin/tarticles.cgi?boult1889+2978
多分中学3年生の正月ごろにNHK-FMで放送されたのをエアチェックしたカセットテープ。手作りアンテナで受信していたので、盛大なノイズを書き分けて音楽を聴くような状態(http://takmusik.seesaa.net/article/30460533.html)だが、いやはや当時を思い出しましたよ。パンパンにみなぎった音楽が奔流のごとく流れ出てくる素晴らしい演奏である。
ただ、今の耳でよく聴いてみると、演奏の6割方は「指揮者不在の音楽」である。いや、目の前にいるマリス・ヤンソンスを見ずに、本当ならそこにいたはずのムラヴィンスキーを頭に思い浮かべながら、演奏者自身が指揮者となって演奏している。つまり、音楽の場面場面でイニシアチブを取る楽器が、その部分の音楽を先導し、結果として音楽がきちんとつながっていく。ムラヴィンスキーの解釈というコンセンサスがあるわけだから、先導する楽器が入れ替わろうと音楽は揺るがない。
それでも、1楽章の展開部だとか、4楽章のコーダだとか、ちゃんと指揮者を頼りにしているところもあって、そこはそこでちゃんと「導かれた」音楽になっている。
と、ここまで書いてふと不安になったのだが、ムラヴィンスキーのチャイコフスキーの演奏は、5番がダントツに多いのだが4番はあまり多くなかったはず。このころ4番は演奏していたのだろうか。していなかったとしたら、まるでムラヴィンスキーのような演奏をマリス・ヤンソンスがまるで指揮者不在なように振っているという不思議な演奏ということになる。その後のマリス・ヤンソンスの演奏がまさにそんな感じだから、案外そうだったりして。それでも、ムラヴィンスキーのDGへの1960年録音と雰囲気が似ているので、演奏者も指揮者もその演奏の呪縛(?)から逃れ切れていないのだろう。

前置きが長くなりすぎた。
CHANDOSが収録したマリス・ヤンソンスとオスロ・フィルのチャイコフスキーの交響曲ツィクルスは、来日の2年前である1984年に始まっている。マリス・ヤンソンス41歳。首席指揮者に就任して5年目のシーズン。20代や30代の指揮者がばんばん出てきて活躍する現代と比べれば、この時代の41歳は若造だろう。事実、86年のレニングラード・フィル来日公演も自他ともに認める「若造扱い」だったようである。
しかしながら、CHANDOS録音のこのチャイコフスキーの5番は、マリス・ヤンソンスが自信を持ってオーケストラを率いた素晴らしい演奏である。ムラヴィンスキーの演奏にそっくりなのはご愛嬌だが、オスロ・フィルをちゃんとそっち方向に導ける能力はきちんと感じられる。もちろんオスロ・フィルとてチャイ5はよくやる曲の一つだろうから、「手馴れた」感も聴こえる。それも含めてとても心地好い演奏である。このツィクルスは評価が高いそうだが、優秀録音によるムラヴィンスキー的演奏で1番からマンフレッドまで聴けるのなら、確かに評価は高かろう。

1984年は中学校1年生。なぜか「部活」と「クラブ」のほかに「駅伝」まで駆りだされてしまった。小学生の時に町内の駅伝の練習のため、夜な夜な村の仲間たちと一緒に走っていたので、心肺機能は人並みよりは高かった。だが、実際ランナーとして出場してみると、それ専門の人の脚力というのは全然別世界で(同じ中学生でも)、私のようなチャラい練習し貸してないものは太刀打ちできないことがよく分かった。

バックナンバーはこちらから。
http://takmusik.seesaa.net/tag/articles/CHANDOS30

CD23
Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
Symphony No.5 in E minor, op.64
Oslo Philharmonic Orchestra
Mariss Jansons
1984.1.26,27 Oslo Concert Hall
CHAN8351


ラベル:CHANDOS CHANDOS30
posted by tak at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 買ったCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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