2009年07月30日

セルフ・バースデー・プレゼント

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さて、最近年齢だけは一つ大人になった(??)わけだが、ますますの幼児退行を自覚する昨今である。

というのも、その自分の誕生日に自分へのプレゼントを買っちゃったのが、このラジコン。アルファロメオ・ミトという、アルファロメオ社の最新モデルの1/24スケール・モデルである。もったいないので未開封。

かっこいいんだよなあ。ラジコンほしかったし。でも、38にもなるおっさんの買い物ではないな。
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2009年07月28日

アンドレーエのブルックナー全集

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フォルクマール・アンドレーエという指揮者の名前を認識している人は、ブルックナー・マニアと考えて間違いなかろう。対偶を取れば「ブルックナー・マニアでなければ、フォルクマール・アンドレーエを知らない」となって、やはり正しい(なんのこっちゃ)。
フォルクマール・アンドレーエの指揮による、史上初のブルックナー全曲録音である。ウィーン交響楽団の演奏。

以下、ライナーノートの受け売り、いや引用多数。

フォルクマール・アンドレーエは、1879年にスイスに生まれた指揮者。クナッパーツブッシュ、シューリヒト、フルトヴェングラー、クレンペラー、アーベントロート、ワルター、チャールズ・アドラーなど、そうそうたる「ブルックナー指揮者」たちと同じ世代である。
しかも、その中でも最も多く(演奏も、曲も)ブルックナーを演奏したのが、アンドレーエではなかろうか。何しろ、1911年(マーラーの没年ですな)までに、ブルックナーの交響曲を1番から9番まで演奏しているそうだ。

今回の全集は、ウィーンの放送局で、1953年1月中旬から2月中旬の間に放送用にセッション録音されたもの。
ブルックナーで常に問題になる、「どの版、稿を選ぶか」について、アンドレーエは非常に興味深い選択をしている。

交響曲第1番ハ短調 1953.1.15録音
1935年出版のハース版リンツ稿を使用(ライナーノートに"1953"との記載があるが、これはノヴァーク版の出版年なので誤り)。2年前の録音では、アンドレーエは1893年に出版されたシリル・ヒナイス校訂のいわゆる「初版」のウィーン稿を使用しているらしい。1番において、リンツ稿とウィーン稿は、普通「全然違う」曲と捉えられるので、両方録音した指揮者というのは珍しい。1935年以前にはウィーン稿しかなかったわけで、これでなじんだアンドレーエが、リンツ稿に鞍替えしたのは、リンツ稿に魅力を感じたからなのだろうか。私個人としては、リンツ稿の方が好き。

交響曲第2番ハ短調 1953.1.16録音
1938年出版のハース版を、1877年稿の最初の出版どおりにカットして使用。
ハース版は1877年稿に、1872年稿を混ぜて使っており、2楽章の最後のフレーズがクラリネットではなくホルン、3楽章スケルツォのリピートが特徴である。また、1877年にカットされた部分が復活されており、これが批判の対象になっている。アンドレーエはそれを注意深くカット。しかも1箇所、初版と同じダイナミクスの追加を行っている。つまり、ほぼ初版準拠。

交響曲第3番ニ短調 1953.1.14-2.5録音
改訂版使用。改訂版は、ノヴァーク版第3稿(1890年稿)とだいたい同じなので、問題ない。この時期に入手が可能だった1950年出版のエーザー版は第2稿(1878年稿)。なじみの改訂版を使ったものと思われる。

交響曲第4番変ホ長調 1953.1.19録音
1944年出版のハース版使用。それ以前はレーヴェによる改訂版しかなかったわけだが、よりオーセンティックなハース版に乗り換えたのは妥当。改訂版に特徴的な第1楽章展開部の入りのところのバスのff、第4楽章のシンバルは引用されていない(テンシュテットはこの部分を改訂版風に変更している)。つまりハース版のまま。

交響曲第5番変ロ長調 1953.1.24録音
1935年出版のハース版使用。これも悪名高いシャルク改訂版は使用せず。

交響曲第6番イ長調 1953.1.14-2.5録音
1935年出版のハース版使用。初版とはあまり変わりがない。

交響曲第7番ホ長調 1953.1.14-2.5録音
1888年出版の初版(グートマン版)使用。ハース版と違って2楽章でシンバルとトライアングルが鳴る。

交響曲第8番ハ短調 1953.1.14-2.5録音
1892年出版のシャルク改訂版使用。後年の第2稿ノヴァーク版と実質的に同じ。当時入手できたハース版は、第1稿を混ぜたりしていて評判が悪く、ウィーンでは好まれなかったそうだ。

交響曲第9番ニ短調 1953.1.14-2.5録音
1935年出版のオーレル版使用。悪名高きレーヴェ改訂版は使用せず。

テ・デウム
批判校訂版はまだ出ていなかったので、初版使用。

以上のとおり、版の選択は非常に賢明である。その時点で入手できる最もオーセンティックな楽譜を使用しつつも、ハース版の一部に見られる恣意的な校訂譜を排除している。
結果として、ずっと後の世代にノヴァーク版で完成されたブルックナー全集と、音はほぼ同じなのだ。

この全集によって、指揮者たちはどう「版」を選んできたのか、ということが腑に落ちた気がする。
つまり、最初のブルックナー指揮者世代は、基本的に初版を使い、改訂版については人によっては改訂版をそのまま(クナッパーツブッシュ)、人によってはオーセンティックなハース版に乗り換える。
次の世代は、最初からハース版を学んだので、ハース版を使用する(ヴァント、ドホナーニ)。
その次の世代は、ノヴァーク版が入手できたので、ノヴァーク版を使用する。ショルティやジュリーニはヴァントと同じ世代だが、ブルックナーを勉強し始めたのはずっとあとだったのだろう。
オイゲン・ヨッフムやロヴロ・フォン・マタチッチは、実は最初の「改訂版」世代で、最終的には結果的にそれに近いノヴァーク版に乗り換えたのだろう。この2人は、晩年になって改訂版の修正をノヴァーク版に取り入れている。ヨッフムは、7番の1楽章の第1主題にあるホルンのブリッジ、マタチッチは、9番3楽章終結部のピツィカート→アルコの変更。

さて、大事な、演奏についてであるが、基本的には心もとないところの多い演奏である(笑)。3番など、全く同時期のクナッパーツブッシュとウィーン・フィルの演奏と比べたら、比べるのがかわいそうなくらい。
それでも、7番はベイヌムを、8番はセル(コンセルトヘボウの方)を、9番はマタチッチを思い出す、昔かたぎの温かいブルックナーであり、この時期にすでにブルックナーとはこう演奏するもの、みたいなコンセンサスが生まれていたことがよく分かる。
また、当時は相当演奏が少なかったであろう6番は、心が熱くなる名演である。

結論として、決して気軽に入手してはいけないブルックナー全集であり、分かる人が聴けば多くの収穫を得られる貴重な「世界初」の全集であった。


Anton Bruckner
9 Symphonien & Te Deum

Volkmal Andreae
Wiener Symphoniker

Music & Arts CD-1227(9CDs)

2009年07月26日

パスタフレスカ

7月26日に、パスタフレスカ3回目の訪問。2回目は飲み会で、しかも途中参加だったので、実質2.5回目?

飲み物はブラッドオレンジジュース。ここのは濃いです。
前菜の盛り合わせで、ズッキーニの素揚げ、ナスのミートソースと、定番の生ハムメロン、モツァレラトマト。最近のズッキーニって美味しいですね。素揚げに塩をかけたのがいちばんうまいんだそうで。
次はラザニア。ラザニアというものはよく知っていたが、ちゃんと食べたのは初めてかも。いやいや、そんなはずはない。でもこんなに美味しくてすっきり食べられるラザニアは初めてかも。なぜか同行人もラザニアは初めてだそうで。
次は定番の、ジェノヴェーゼの生パスタ。こってりうまい。
ちょっと足りないかなと思い、たこの辛いトマトソース煮(アラビアータ?)。めっちゃ辛かったけど、すっきり美味しかった。
仕上げにデザート盛り合わせ。2人で分けてちょうどいいくらい。
これで7000円を切るくらい。鳥取では「安い」とは言えないが、値段の価値はあります。
タグ:ごはん
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2009年07月25日

花火

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久々の完全休養日。
朝は「もう寝られない」という時間まで寝る。
とはいえ、10時には起きて、正月以来の掃除。5時までかかる。
6時半には、河原のあゆ祭りに、母、甥っ子、姪っ子と4人で出発。めちゃめちゃ間近で堪能しました。
タグ:花火
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2009年07月23日

見られた日食

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日食は本当は日蝕ですが、「常用漢字音訓表」の存在を基本としなければならない商売柄、日食と表記します。ご容赦を。

さて、天気が心配された日食観察、これがまた、ちょうど雲がフィルターになって、見事に肉眼で観察できたのである。とりぎん文化会館の中庭で、池(の様な水溜り)に反射させたり、石のベンチに反射させたり、雲に隠れた隙に肉眼で見たり、いろいろ工夫した。
1枚目は、直接撮影した様子。
2枚目は、近くで一緒に観察されていた方が、コンデジのディスプレーで反射させるといいことに気が付かれ、真似して撮ったもの。反射防止のフィルターがうまく利いて、輪郭がはっきり見えた。
タグ:日記
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2009年07月22日

日食は見られるか?

7月22日は、日食が起こる日。さて、観察できる天気模様だろうか。
正直言って私自身はあんまり関心なかったけど、職場の人に「記録しておかないの??」なんて言われて、一応準備してみた。
http://astro.ysc.go.jp/eclipse/solar/safe.html
職場に落ちてたポスター用の筒を使って、上記サイトを参考に、ピンホールカメラ風投影機を作ってみた。
天気がよければ、これを持って駐車場でうろうろしながら、写った像を撮影することになるだろう。周りからは相当怪しげに映るに違いない。
タグ:日記
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2009年07月20日

ジュニア合宿無事終了

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ニュー砂丘荘での合宿は、十分な成果を得て終了。
と言っても、私は初心者の子にかかりっきりで、上級生の子たちの合奏はN先生にお任せしてしまったため、正確なことは言えないが。
それでも、開催が危ぶまれるくらい演奏が「微妙」だった今の上級生の子も、頼るべき先輩がいなくなった後にはちゃんと自分たちで努力して、この2ヶ月くらいで目を見張るくらい頼もしくなった。
初心者の子たちは、合宿にもちゃんと練習せずに望んだかもしれないが、1日中×2日間練習してれば、ちゃんとそれなりのことができるようになる。ただ、残念ながら、これくらいの習熟度のときは、覚えつつ忘れるような状態なので、次の練習までに今回の成果が残っているかどうかはなんともいえなくて、それぞれの努力次第なのである。
私なんかもつい、その場でできるようになることで満足してしまうのだが、それだけでは身につかない。とはいえ、みんながみんな、何かを得たはずだ。特に、学校活動外でのこういう合宿というのは、小中学生たちにはかなり楽しいんだろうなあと思い、ある意味うらやましい。
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2009年07月18日

連休は合宿

休みはないものと思え、のtakです(涙)。

7月の3連休は例によって鳥取ジュニアオーケストラの合宿。
今年はお宿が初日だけ取れなかったため、今日はとりぎん文化会館の練習室で朝から晩まで練習して、いったんお家で寝て、明日あさってはニュー砂丘荘でお泊まりということになっている。

今日もまた子供たちはN先生に厳しく優しく指導されておりました。その合間に、先生室内楽団の「ます」も練習。今日はピアノが入り、でもコントラバスはお休みで、ピアノカルテット状態での練習。個人練習したおかげで、楽しく合わせができました。チューナーでチェックしたら、音程が全然ダメダメなことが判明して、チューナーとにらめっこの練習。ためになります。

子供たちは朝から晩まで弾けばそれなりにうまくなっていく。もうちょっと「頭」で弾いてくれると楽しくなるんだけどなあ。

というわけで、明日は砂丘見ながら合奏です。
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2009年07月17日

ブルックナーの交響曲の版・稿

私が最も敬愛する作曲家、アントン・ブルックナーは、紹介される際に「いろんな版があって複雑」なんてことが必ず言われるが、じゃあどれくらい複雑なのか、ずっと整理してみたかった。
というわけで整理したのが以下のリスト。楽譜の成立順に並んでいます。
ちなみに、「稿」はブルックナー自身が作曲、あるいは改訂した段階を指し、「版」はブルックナー以外の改訂者、楽譜出版者、校訂者の編集状況を指します。
たいていの人には全く無用のリストですが、私はこういうを作って眺めるのが好きなんです。

No. 成立年 曲・版・稿
1 1863 交響曲ヘ短調"00番"
2 1866 交響曲第1番ハ短調"リンツ稿初稿"
3 1869 交響曲ニ短調"0番ノヴァーク版"
4 1869 交響曲ニ短調"0番ヴェス版"
5 1872 交響曲第2番ハ短調"未定稿"
6 1873 交響曲第2番ハ短調"初稿"
7 1873 交響曲第3番ニ短調"第1稿"
8 1874 交響曲第4番変ホ長調"第1稿"
9 1876 交響曲第2番ハ短調"初稿2"
10 1876 交響曲第3番ニ短調"アダージョ第2番"
11 1875-77 交響曲第5番変ロ長調"初稿"
12 1877 交響曲第1番ハ短調"リンツ稿ハース版"
13 1877 交響曲第1番ハ短調"リンツ稿ノヴァーク版"
14 1877 交響曲第2番ハ短調"決定稿ハース版"
15 1877 交響曲第2番ハ短調"決定稿ノヴァーク版"
16 1877 交響曲第2番ハ短調"決定稿キャラガン版"
17 1877 交響曲第3番ニ短調"第2稿ノヴァーク版"
18 1878 交響曲第3番ニ短調"第2稿エーザー版"
19 1878 交響曲第3番ニ短調"ピアノ連弾用マーラー版"
20 1878 交響曲第4番変ホ長調"民衆の祭りフィナーレ"
21 1878 交響曲第5番変ロ長調"ハース版"
22 1878 交響曲第5番変ロ長調"ノヴァーク版"
23 1881 交響曲第4番変ホ長調"第2稿ハース版"
24 1881 交響曲第4番変ホ長調"第2稿ハース版"
25 1881 交響曲第6番イ長調"ハース版"
26 1881 交響曲第6番イ長調"ノヴァーク版"
27 1885 交響曲第7番ホ長調"ハース版"
28 1885 交響曲第7番ホ長調"ノヴァーク版"
29 1885 交響曲第7番ホ長調"初版"
30 1886 交響曲第4番変ホ長調"第2稿ノヴァーク版"
31 1887 交響曲第8番ハ短調"ノヴァーク版第1稿"
32 1888 交響曲第4番変ホ長調"第3稿コースヴェット版"
33 1888 交響曲第4番変ホ長調"レーヴェ改訂版"
34 1888 交響曲第8番ハ短調"アダージョ第2番"
35 1888/89 交響曲第3番ニ短調"第3稿ノヴァーク版"
36 1887/90 交響曲第8番ハ短調"ハース版"
37 1887/90 交響曲第8番ハ短調"フルトヴェングラー版"
38 1889 交響曲第9番ニ短調"トリオ1"
39 1890 交響曲第3番ニ短調"シャルク兄弟改訂版"
40 1890 交響曲第8番ハ短調"ノヴァーク版第2稿"
41 1891 交響曲第1番ハ短調"ウィーン稿ブロシェ版"
42 1891 交響曲第1番ハ短調"ウィーン稿ヒナイス版"
43 1892 交響曲第2番ハ短調"ヒナイス版"
44 1892 交響曲第8番ハ短調"シャルク版"
45 1893 交響曲第9番ニ短調"トリオ2"
46 1894 交響曲第5番変ロ長調"シャルク改訂版"
47 1894 交響曲第9番ニ短調"オーレル版"
48 1894 交響曲第9番ニ短調"ノヴァーク版"
49 1894 交響曲第9番ニ短調"コールス版"
50 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ断片オーレル版"
51 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ断片フィリップス版"
52 1899 交響曲第6番イ長調"ヒナイス版"
53 1888/1900 交響曲第4番変ホ長調"マーラー版"
54 1903 交響曲第9番ニ短調"レーヴェ改訂版"
55 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・サマーレ・マッツカ補筆完成版1984"
56 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・キャラガン補筆完成版"
57 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・サマーレ・マッツカ補筆完成版1985"
58 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・サマーレ・マッツカ・フィリップス・コールス補筆完成版1992"
59 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・キャラガン補筆完成版2003"
60 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・サマーレ・マッツカ・フィリップス・コールス補筆完成版2005"
61 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・キャラガン補筆完成版2006"
62 1896 交響曲第9番ニ短調"フィナーレ・サマーレ・マッツカ・フィリップス・コールス補筆完成版2007"

参考サイト
Anton Bruckner http://abruckner.com/
川崎高伸氏 音楽の壺 http://www.cwo.zaq.ne.jp/kawasaki/MusicPot/index.html

2009年07月14日

ゲルギエフのショスタコーヴィチ#1&15

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名暗号解読士、かつ、暗号士ヴァレリー・ゲルギエフの、ショスタコーヴィチの交響曲第1番と15番。

ああ、交響曲第1番ってこんなに素晴らしい曲だったのか。
第1楽章など、無理めな転調や無調っぽい動きが、音程が的確なおかげで、非常に音楽的に聴こえる。あまり旋律らしくないテーマも、絶妙な抑揚で、見事に旋律に聴こえる。
そして、類まれなアンサンブル。こういう曲を、縦の線を正確に合わせるのは、そんなに難しくないと思うが、この演奏のように、すべてのタイミングを絶妙な「間」を伴って演奏しようと思えば、ゲルギエフのコンセプトが奏者一人ひとりの体に入っていないとできるものではない。結果として、音楽の要素が不思議な引力で引かれ合ってすべてひとつながりになっている。

そして、交響曲第15番も名演。なのだが、この日のこの感想は勘違いだったのだろうか。
http://takmusik.seesaa.net/article/66995890.html
よく言われるように、また、ライナーノートにも書かれているように、第1楽章はショスタコーヴィチの子供時代の回想であり、ウィリアム・テルは、その楽しげな楽想以上の意味は聴こえない。
なんというか、暗号を再度暗号化したようだ。すなわち、2007年11月の時点では、暗号を解読した状態で露出してしまい、1年後にはそれを元通りしまいこんだのか。
あの日の恐ろしく、背筋の凍る演奏を知っているだけに、それを知らんぷりを決め込んだこの演奏も恐ろしい。
そして、それは、まさにクルト・ザンデルリンクの演奏を連想させる。
http://takmusik.seesaa.net/article/66160679.html
特に以下を参照。
http://blog.livedoor.jp/takuya1975/archives/50676388.html
彼こそ、この15番の秘密をいち早く見抜いた人なのだ。なのに、ザンデルリンクの演奏も、表面的には恐怖を感じない。

ともかく、ゲルギエフとマリインスキー管弦楽団による、1番と15番という名演に恵まれない2曲の、数少ない名演である。


ヴァレリー・ゲルギエフ
マリインスキー劇場管弦楽団

ドミトリ・ショスタコーヴィチ
交響曲第1番
交響曲第15番

2008.7.18,20,25 マリインスキー・コンサートホール、サンクト・ペテルブルク
MARIINSKY MAR0502

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