2009年07月07日

夜想曲集/カズオ・イシグロ

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私にとって、まだ生きている作家の中で、最も完璧な小説を書く作家として位置づけている、カズオ・イシグロの最新作。
「夜想曲集 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」という、短編集である。
実は、私が読んだカズオ・イシグロは「日の名残り」のみなので、大きなことは言えない。でも、この「夜想曲」を読んでも、その完璧性には揺らぎがない。

何がどう完璧なのかを言うのは難しい、というか、全然たいしたことでない点で完璧と思っているのだが、それは、日常の言葉で、ごくごく日常的なストーリーを、大げさな起伏なく物語っているにもかかわらず、読む途中、読んだ後には、わずかだけど充実した高揚感が心の中にしっかりと残るのである。大どんでん返しもないし、倫理に悖る記述もないのに、きちんとフィクションとして「夢」を見させてくれる。
例えば、最初の小説で、架空のミュージシャンがいきなり登場するのだが、過去に超売れっ子になって今は落ち目とか、あまりに真に迫る書きぶりに本当にそういう人がいるような気になってしまう。

おすすめです。


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posted by tak at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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