2008年08月21日

ドホナーニのモーツァルト(とウェーベルン)

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なかなか姿を見かけなかった管楽器の協奏曲集が入手でき、ようやくドホナーニのモーツァルトを揃えることができた。
実は、交響曲集は2年くらい前、アイネク+フルート&ハープ+協奏交響曲の方は1年くらい前に入手していたのだが、これらの演奏を表現をする言葉を持っておらず、何も書けないでいたのだ。今回全貌が見えたおかげで、何がしか書けそうな気がして筆を執った次第。
これらの録音のコンセプトを整理しておこう。
・クリーブランドのプレイヤーがソロを執ったモーツァルトの協奏曲集(2枚)
・モーツァルトの後期交響曲集とウェーベルンを組み合わせてみました(3枚組み)

キーになったのはクラリネット協奏曲だった。クリーブランドらしからぬ、と言ってもいいくらい華やいだ雰囲気で始まる序奏、それに続いて温和でビューティフルに振る舞うクラリネット。クラリネットは楽章を追うごとに雄弁になり、それにつれてオケも紅潮してくる。霊感が宿った音楽が聴けるのだ。そう、100点満点で120点と言ってしまいそうな、音楽を超越する瞬間。ただ、指揮者とは関係なしに盛り上がっているように聴こえる。でもいい。音楽がいいんだから。
ダニエル・マジェスケがソロを執った協奏交響曲も別格の風格である。天才だけがなせる業。

これと比べたとき、100点満点の100点の音楽は分が悪い。100点なのに褒めてもらえない。アイネクライネ、40番、41番はそんな感じ。なんか音が湿っぽいし。
30番台の4曲はそれよりも好きな演奏だ。明るくポジティブに人生を謳歌するかのような演奏である。
その他の協奏曲は、私にはやはり100点の演奏に聴こえる。オケのプレイヤーがソロを執ることの難しさが出ているような気もする。
なんて勝手なことを言っているが、モーツァルトを、アメリカの、モダンスタイルのオーケストラでこれだけきちんと演奏できるようにするには、相当な指揮者の牽引力が必要なことは言うまでもない。一流のオーケストラだってぼろぼろの演奏をすることもあるんだから。そういう意味で残念なのは、ピリオド・スタイルの「語る」アーティキュレーションを使える奏者がいないと退屈に聴こえてしまうという私の感受性の変化である。この10年でもう後戻りできなくなってしまった。

さて、この交響曲集でもう一ついろいろと言われるのが、モーツァルトにウェーベルンをカップリングした理由。これはライナーノートにきちんと書いてある。
・どちらもウィーンの時代を画した3人組のひとり。モーツァルトは、ハイドン、ベートーヴェンとともにウィーン古典派を成し、ウェーベルンは、シェーンベルク、ベルクとともに新ウィーン楽派を形成した。
・ベートーヴェンがシェーンベルクなら、モーツァルトはベルク、と見せかけてやはりウェーベルン。完璧主義者という点で共通。
・モーツァルトもウェーベルンも、フーガへのこだわりなど、バッハに密接につながっている。
・ウェーベルンは三人集の中で唯一、指揮者としてモーツァルトの交響曲に密接につながっている。最後の4つの交響曲はそれぞれ1〜4回の演奏記録がある。
なんだかだんだんこじつけっぽくなっていくように感じるのは私だけか?

それはともかくこのウェーベルンの演奏の美しさは尋常でない。すべての楽器がスウィートに音を発し、協和音であろうと不協和音であろうと妙なるハーモニーを奏でている。これが本当にウェーベルンらしいかと言われると、もっとトゲトゲしてていいんじゃない?と言いそうになるが、これはこれで一つの芸術である。


The Cleveland Orchestra
Christoph von Dohnányi


436 421-2
Disc 1
Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.35 in D major, K385 'Hafner'
1990.10, Severance Hall, Cleveland

Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.36 in C major, K425 'Linz'
1990.10, Severance Hall, Cleveland

Anton Webern
Passacaglia, op.1
1992.1, Severance Hall, Cleveland

Anton Webern
Six Pieces, op.6a
1992.5, Severance Hall, Cleveland

Disc 2
Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.38 in D major, K504 'Prague'
1990.2, Masonic Auditrium, Cleveland

Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.39 in E flat major, K543
1990.10, Severance Hall, Cleveland

Anton Webern
Five Pieces, op.10
1991.10, Severance Hall, Cleveland

Anton Webern
Symphony, op.21
1991.5, Severance Hall, Cleveland

Disc 2
Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.40 in G minor, K550
1990.2, Masonic Auditrium, Cleveland

Wolfgang Amadeus Mozart
Symphony No.41 in C major, K551 'Jupiter
1990.2, Masonic Auditrium, Cleveland

Anton Webern
Variations, op.30
1991.10, Severance Hall, Cleveland


443 175-2
Wolfgang Amadeus Mozart

Serenade No.13 in G major, K525 'Eine kleine Nachtmusik'
1991.8, Severance Hall, Cleveland

Concerto for flute, harp and orchestra in C major, K299[297c]
flute: Joshua Smith
harp: Lisa Wellbaum
1993.6, Severance Hall, Cleveland

Sinfonia Concertante in E flat major for violin, viola and orchestra, K364
Violin: Daniel Majeske
Viola: Robert Vernon
1991.5, Severance Hall, Cleveland


443 176-2
Wolfgang Amadeus Mozart

Concerto for clarinet and orchestra in A major, K622
clarinet: Franklin Cohen
1991.10, Severance Hall, Cleveland

Concerto for oboe and orchestra in C major, K314
oboe: John Mack
1992.1, Severance Hall, Cleveland

Concerto for bassoon and orchestra in B flat major, K191
bassoon: David McGill
1993.6, Severance Hall, Cleveland


DECCA
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Posted by メンズラッシュガード at 2013年08月31日 11:52
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