2008年09月17日

ネーメ・ヤルヴィ70歳のお誕生会

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70歳のお誕生日にコンサートを開かせてもらえる。
3人の息子・娘とともに。
しかもそれがDVDとして発売される。
こんな演奏家がいるだろうか?
ネーメ・ヤルヴィの今の境遇は本当に恵まれている。

DVDとして発売されたのは、演奏された曲が珍しく、ほとんど全部がDVD初レパートリーだからということもあるかもしれないが、リストのファウスト交響曲をDVDで発売して商売になると考える人は少なかろう。やはり、ヤルヴィ親子の力である。

演奏はいずれもエストニア国立交響楽団と同男声合唱団、2007年5月26日、タリンのエストニア・コンサート・ホールでのライブ収録。

ヴィレム・カップ 北の海岸 (Villem Kapp: Põhjarannik (North Coast))
ネーメ・ヤルヴィの指揮。
オケ伴奏の勇壮な男の歌。ヤルヴィの合唱方面での活動はよく知らないが、これはいい。合唱団のレベルの高さゆえだろう。

ヴェリョ・トルミス 三つの素敵な言葉 (Veljo Tormis: I had Three Beautiful Words)
マーリカ・ヤルヴィのフルート、ネーメ・ヤルヴィの指揮。
フルート・オブリガートと無伴奏男声合唱という、なんとも素敵な編成。ころころ転げまわるような、なんともかわいらしい曲である。マーリカはびっくりするくらい上手いし音もきれい。なんでもっと有名になってないのだろう。

ヤン・シベリウス フィンランディア (Jan Sibelius: Finlandia)
一族の大スター、パーヴォ・ヤルヴィの指揮はこれ1曲。
男声合唱つきのバージョン。これまで聴いたあらゆるフィンランディアの中で、音楽の構築具合がもっともハマった名演である。特に序奏の部分のダイナミクスの細かい設定がツボにはまる。エストニアの人にとって必ずしも「自分の」曲ではなかろうが、同じような被抑圧者としての共感がにじむ。

ヘイノ・エラー フルートと弦楽のための3つの小品 (Heino Eller: Three Pieces for Flute and String Orchestra (Orch. by Charles Coleman))
マーリカ・ヤルヴィのフルート、クリスチャン・ヤルヴィの指揮。
元はピアノ伴奏なんだろうか。フルートの人にも弦楽合奏団にも、素晴らしいレパートリーが一つ増えた。本当にかぐわしいばかりに花が咲き誇るような、華やぎと安らぎに満ちた曲である。

カール・ニールセン 「アラディン」組曲から3つの楽章 (Carl Nielsen: Three movements from the Aladdin Suite)
クリスチャン・ヤルヴィの指揮。
これはDGにネーメ・ヤルヴィも録音してる。どこを取ってもエキゾチックでちと品がない音が鳴る曲で、もっと有名になってもいい曲だと思う。
クリスチャンの演奏は、パパ・ヤルヴィと同じ下品丸出し系でよろしい。ただ、指揮振りはちょっとくねくねしてて気持ち悪いんだよなあ。最近ウィーン・トンキュンストラーのオケの常任指揮者だか音楽監督だかに就任してフランツ・シュミットの7つの封印を有する書なんかを録音して上り調子だし、がんばってほしい。来日公演が名曲プロなのは致し方ないが。

フランツ・リスト ファウスト交響曲 (Franz Liszt: A Faust Symphony in the three character studies)
ネーメ・ヤルヴィの指揮。
ネーメは、この曲がやりたくてこのコンサートを開いたのでは?今どきこんな曲を商業用録音させてくれるレーベルもなかろう。
中学生のときに聴いたきりだから、一度聴いたくらいでは全然曲が分からない。と思ったらこれはワーグナー大好き!って言ってるような曲なんですな。リングとか、パルジファルとか、ワーグナーがこだまのように聴こえて。
パパ・ヤルヴィも確かに一度はやりたいと思うような大きさを持った曲だ。エストニアのオケがこの曲をやったことがあるとは思えないけど、十分に咀嚼しきった、熱のこもったよい演奏であった。観客総立ち。

なんともほほえましいコンサートであった。
ラベル:ヤルヴィ
posted by tak at 00:59| Comment(0) | TrackBack(1) | ネーメ・ヤルヴィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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