
これは知らなかった。某オークションに出品されていて初めて存在を知った1枚。
なつかしのargoレーベルから出ていた、イギリスの作曲家、ハリソン・バートウィッスルのアルバムである。
1995年作曲のサクソフォンとドラムセットとオーケストラのための「パニック」と、1984年作曲のオーケストラのための「アース・ダンス」。
実は、写真にあるように、バートウィッスルの曲はブーレーズとアンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏(1993年録音)で1枚だけ持っていた。6,7年前に買って、一度聴いて「これは性に合わない」と思って全然聴かなかったのだが、ほんの3ヶ月くらい前に改めて聴いてみて、すうっと体に入ってくるようになじんでしまった。
どう言えばいいのだろうか、いわゆるゲンダイオンガク的であり、かなり騒々しくて、しかもポップに騒々しかったり無秩序に騒々しかったりする。ちょっと我慢ならないタイプの騒々しさなのだが、なじんでしまえば全然嫌じゃない。
アンドルー・デイヴィスの方は、バートウィッスルの作曲様式も固まり、相当騒々しいが、演奏もかなり騒々しい。上手いしちゃんと必要な音が鳴っている(ようだ)が、なんというか「ぶちまけた」感じ。
一方ドホナーニは、曲も演奏も静謐さを感じる。技術的な精度が恐ろしく高い。また、ひとつひとつのパッセージの音色、音の形が美しい。それが全体として音楽のまとまりを感じさせている。
今後もバートウィッスルを追いかけることはないと思うが、ブーレーズの1枚とこの1枚で、バートウィッスル的世界は十分楽しめそう(??)だ。
Harrison Birtwistle
Panic (1995)
saxophne: John Harle
drum kit: Paul Clarvis
BBC Symphony Orchestra
Andrew Davis
1995.10, EMI Studio 1, Abbey Road, London
Earth Dances (1984)
The Cleveland Orchestra
Christoph von Dohnányi
1995.4, Severance Hall, Cleveland, Ohio
argo
ラベル:ドホナーニ