2009年02月11日

軍人さんたち

bazimmermann_soldaten.JPG

打ちのめされた。
ベルント・アロイス・ツィンマーマン作曲のオペラ、"Die Soldaten"。昨年、新国立劇場で上演されたことによって、すっかり市民権を得た、なんてことはないけど、音楽マニアにはすっかり浸透したことだろう。
国内盤を手に入れて、ずっと勘違いしていたことがいくつか解消された。

まず1つ。
これまで「兵士たち」と訳され、最近では「軍人たち」と訳されるようになったこのオペラのことを、私はこの訳ですっかり勘違いしていた。つまり、立派な人物としての「軍人」の物語だと思っていた。
そうではなく、ダメな軍人たちと、ルーズな女たちの、よくあるオペラ的な話なんだということが分かった。吉田戦車の名作、「戦え!軍人君」と、やっていることはさほど変わりない、とまで言ったら言い過ぎか。
だから、この元の戯曲の意図するところは「軍人さんたち」くらいの訳の方が伝わりやすいのではなかろうか。

2つ目。
台本は、ヤーコプ=ミヒャエル=ラインホルト・レンツが1775年(!)に書いた戯曲であるということ。現代的な、メッセージ性の強いストーリー化と思いきや、いつの時代にもある話だった。

3つ目。
アルバン・ベルクの「ヴォツェック」の影響を受けた作品かと思ったら、「Die Soldaten」の劇にヴォツェックの原作者のゲオルク・ビュヒナーが影響を受けているということ。もちろん、ツィンマーマンの音楽はアルバン・ベルクの影響なしには書かれていないし(12音技法を使っているし)、「トッカータ」「シャコンヌ」など、ヴォツェックを想起させるように場面ごとにテーマをつけている。しかしながら、これが音楽用語そのままの意味で使っていないらしいところがまた興味深い。

4つ目。
「騒音ばかり」と聞いていたが、非常に精妙な音楽であった。12音の音列の設計の緻密さ(ブックレットに延々説明してある)もさることながら、音色や表現の精妙さが快感である。もちろん騒々しくて耳をふさぎたくなるところも2箇所ほどあるが、総じて非常に「音楽的」な「ゲンダイオンガク」であった。

なるほど、若杉弘ががんばって日本人に聴かせたくなるのが分かる傑作であった。


ベルント・アロイス・ツィンマーマン
歌劇「軍人たち」
ミヒャエル・ギーレン指揮
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
1965.2.21,22-3.2-3 ケルン西ドイツ放送局大ホールで行われた、初演のライブ録音
WERGO
キング・インターナショナル


ラベル:B.A.Zinmmermann
posted by tak at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 買ったCD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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