2009年04月13日

旅行の準備9_BAZ3

bazimmermann_sphere.JPG

ベルリン音楽三昧旅行の準備の第9回。
ベルント・アロイス・ツィンマーマンの核心、研究第3回。

ベルント・アロイス・ツィンマーマンが行った創作の表現手法を表す言葉として最も重要なのは、おそらくこれだろう。

時間の球体構造
spherical construction of time
Kugelgestalt der Zeit

この言葉は、過去、現在、未来の、3つの時制が、同時に、溶け合わずに複雑に結びついている状態を表している。
具体的な音楽表現としては、1人の演奏家のパート譜の中に、テンポとかリズムの異なる音楽が交じり合って出てくるように書かれている。

無伴奏チェロ・ソナタ(1960)
実際のアイデアとして思いついても、そのような複雑な楽譜を消化できる演奏家がいなければ存在意義がないのだが、幸いなことに、ベルント・アロイス・ツィンマーマンが「時間の球体構造」の概念の基に作曲した「無伴奏チェロ・ソナタ」は、ジークフリート・パルムというチェリストに支えられて演奏し、世に広めることができた。
3つのテンポとリズムパターンの音楽が1本のチェロから分離して聴こえてくる。
CDはWERGOの1967年録音。
他に、ジョルジュ・リゲティ、クシシュトフ・ペンデレツキ、アントン・ウェーベルン、パウル・ヒンデミットの協奏曲や独奏曲を収録。古典的名盤。

プレザンス(1961)
ヴァイオリン、チェロ、ピアノという、古典的ピアノ・トリオの編成で書かれ、ナレーターが語る、バレエ音楽。
各楽器には役名(役割)が与えられ、ヴァイオリンは「ドン・キホーテ」、チェロは「モリー・ブルーム」(ジェームズ・ジョイスの「ユリシーズ」の登場人物。http://en.wikipedia.org/wiki/Molly_Bloom)、ピアノは「ユビュ王(http://en.wikipedia.org/wiki/Ubu_Roi)」という、いずれもフィクションのキャラクターを演じている、らしい。
もちろん3人は3人でばらばらに演じるし、1人の中にも3つの状態が同居するような、複雑怪奇な音楽。巧妙に設計されたというのではなく、無造作に配置された風情。それが逆に凄みを持つ、ベルント・アロイス・ツィンマーマンの傑作である。
CDは、RCAのおそらく今後50年間にわたって最も重要となるであろう仕事、「ドイツの音楽1950−2000」の、第9巻のうちの1枚目。ちなみにジャケ写は、ハンス・ウェルナー・ヘンツェの「ウンディーネ」。ベルント・アロイス・ツィンマーマンの音楽はこんな可愛らしいものではない、残念ながら。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1778709
ヴァイオリン:Melise Mellinger、チェロ:Lucas Fels、ピアノ:Yukiko Sugawara。ピアノの人はおそらくこの人。ヘルムート・ラッヘンマンの奥さんだそうだ。
http://www.operacity.jp/concert/compo/2009/artist/index.html
http://www.sospeso.com/contents/musicians/lachenmann.html

バックナンバー
http://takmusik.seesaa.net/tag/BeRLiN


ラベル:B.A.Zinmmermann BeRLiN
posted by tak at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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