2009年04月14日

旅行の準備10_BAZ4

bazimmermann_lingual.JPG

ベルリン音楽三昧旅行の準備の第10回。
ベルント・アロイス・ツィンマーマンの核心、研究第4回。
めんどくさくなったので、無理矢理最終回。

ベルント・アロイス・ツィンマーマンの創作が行き着いた終着点。

まずはその二歩手前。コラージュ技法。
「ユビュ王の晩餐のための音楽」
すべての音符を既存の楽曲から引用して、精妙に(雑多に?)コラージュした、天下の奇作。
既存の音楽を用いて書いた曲と言えば、マーラーの交響曲第2番「復活」の第3楽章をそのまま使ったルチアーノ・ベリオの「シンフォニア」がすぐに思い浮かぶが、そんな生易しいものではない、と言うかもっとチャラいと言うか、言葉に詰まる。フックト・オン・クラシックスのノリに近い気もする。冒頭は無調風に変換された展覧会の絵の冒頭のファンファーレ風音楽がホルンで吹き鳴らされ、ワルキューレや幻想交響曲の4楽章が原型で出てきたり、ジークフリート牧歌がコントラバス四重奏で演奏されたり、つねにパロディ的な不真面目感が漂う。
ちなみに、ユビュ王は、先回の「プレザンス」に出てきたユビュ王と同じ。
CDは、例のRCAの5枚組。「ユビュ王」のために買ったら、ついでに「プレザンス」も聴けてお得、という訳。ジャケ写で楽しそうに踊るおっさんはもちろんユビュ王。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ubu_Roi

そして一歩手前は、これまでの、セリー(十二音技法の拡張)、時間の球体構造、引用やコラージュをすべてぶち込んだ、オペラ「軍人たち」。同じ20世紀のオペラでも、「ヴォツェック」や「ムツェンスク郡のマクベス夫人」はかろうじて娯楽の端っこにとどまっているが、「軍人さんたち」はもはや娯楽ではない。精神修養に近いものがある。
http://takmusik.seesaa.net/article/114024742.html

そして終着点。リンガル。
「若い詩人のためのレクイエム」では、オペラ的な表現とは違うものを追求した結果として、「リンガル」と言う、朗読を四方から語り散らす手法に行き着いた。
CDは、最近出たベルンハルト・コンタルスキーの指揮のもの。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=2798613
さらに、ほとんど最後の作品である「私は振り返り太陽の下で行われたすべての不正を見た」。ナレーションとバスのソロが同時並行的に演じられる。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=2809616

この音楽の真価(?)を聴けば、確かに同時代人が素直にベルント・アロイス・ツィンマーマンの音楽を理解できないのもよく分かる。問題意識が強いのに、表現が複雑で意図が捉えづらく、耳に優しくもない。おそらく、表層的な部分で捉えてしまい、満足な評価を得られなかったのだろう。
時代に先んじすぎた、というよりは、ベルント・アロイス・ツィンマーマンが音楽を深く考えすぎたゆえに、一般人の感覚から遠く離れすぎた結果、評価につながらなかったのだろう。
幸いなことに21世紀の今はオタクの花盛り(?)である。ベルリン・フィル定期である「若い詩人のためのレクイエム」も、チケット売り切れだそうだ。よい時代が来たと言うべきか、オタクはさらにオタク的に先鋭化していくと言うべきか。

バックナンバー
http://takmusik.seesaa.net/tag/BeRLiN


ラベル:B.A.Zinmmermann BeRLiN
posted by tak at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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