2009年05月19日

ドホナーニの映像、1977年

dohnanyi_wph_unitel.jpg

いったいドホナーニの指揮のもと、ウィーン・フィルはどんな表情で演奏していたのだろうかと、いつも思っていたのだが、ようやく理想的な映像で確認できた。
やはり、全然面白くなさそうな表情であった(笑)。

おそらくドホナーニとウィーン・フィルのレコーディングでの最初の共演は1976年。メンデルスゾーンの交響曲の1,2,3,5番とベルクの「ルル」を録音している。
そして、1977年、この映像収録の直前の11月22〜24日にバルトークの「役人」の全曲版、直後の12月6〜15日に「ペトルーシュカ」を録音している。

この映像収録での演奏は、もしかしたらDECCAの録音よりも精緻かもしれない。何せ、ウィーン・フィルが聴いたことのない精度で演奏している。ウィーン・フィルのこれだけ精緻な演奏は、最近チクルスに取り組み始めたティーレマンとのベートーヴェンの交響曲第2番くらいだ。
ドホナーニはノリノリで、暗譜で、恐ろしい精度のバトンテクニックで役人を、リヒャルトを、スコッチを振る。時折邪悪な笑みを浮かべながら。
それに対して、ウィーン・フィルのメンバーはニコリともせず、自らの美質である音の漂いとか揺らぎとかを捨てて、ひたすら精緻についていく。仏頂面で。
DECCA録音にしても、このUNITEL映像にしても、ウィーン・フィルにとっては「お仕事」であって、楽しいものではなかったのだろう。ドホナーニは時折、特定のパートに「大きすぎる」という意味で手のひらを下向きにした指示をするが、映像収録でそんなことするかね。オケにとっては全然嬉しくない指示である。だって、バランス取りを失敗したことを指摘されているんだから。でも、それによってドホナーニの絶妙のバランス設計が明らかになるのである。

この映像はこれまで発売されたことはあったんだろうか?ウィーン・フィルは発売してほしくなかっただろう。でもちゃんとこうやって世に出た。いい時代が来たものである。


http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3545255

Christoph von Dohnányi
Wiener Philharmoniker

Béla Bartók
The Miraculous Mandarin - Concert suite

Richard Strauss
Burleske for Piano and Orchestra

Felix Mendelssohn
Symphony No.3 in A minor "Scottish"

1977.11.28-12.2, Musikvereinsaal, Wien

UNITEL CLASSIA - medici arts


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