2006年06月17日

エレーヌ・グリモー/Reflexions

grimaud_reflexions.jpg

なんでHMVはフランス仕様なんかを入荷しちゃうのかな。グリモー自身のコンセプトも全然読めん。

グリモーは、東京に住んでいるときに、都響かなんかのコンサートでコミッシオーナの指揮でベートーヴェンのピアノ・コンチェルトの4番を聴き、サインしてもらってから、もうメロメロ(死語)になってしまった。ジャケットはアイドル系、演奏は硬派、素顔はキュート。

グリモーは実演の人だと思っている。Erato-Teldec時代のスタジオ録音で満足できるものはなかった。
また、グリモーの演奏はあまりにピアニスティックであり、その点において私自身にはなかなか理解しにくいところがある。

今回のアルバムでは、コンチェルト、歌曲伴奏、チェロ・ソナタ、ソロという4つのフェイズでの演奏が収録されている。スタジオ録音であることが問題になることはない。
しかし。ピアニスティックであることがこんなに気になるとは思わなかった。

ピアノ・コンチェルトはとても良い!オケが良い。ピアニスティックなソロのすべてのパッセージにすべての楽器がぴったりと寄り添っている。指揮者がどういう仕事をしているかはよく分からないが、SKDの実力あってのことであることは間違いない。ソロの演奏スタイルはこれまでこの曲で聴いたことのないやり方だが、「こんな方法があったのか!」というような目から鱗の演奏。伸縮自在だがつぼにはまった揺らせ方。カデンツァに付け足しがあるようだが、なくてもいいんじゃないかなあ。

クララ・シューマンの歌曲の伴奏は良いと思う。歌とピアノのつかず離れずな関係が立体感を出している。

ラプソディも良い。とても良い。構築的にガシガシ弾かなくてもブラームスの詩情が漂っている。

しかし。チェロ・ソナタは私には受け入れられない。歌曲がいいのにチェロがだめなのはなぜかは分からない。おそらく私がこれを「室内楽」として聴いてしまうせいだろう。つまり、「アンサンブル」しているかどうかを聴いてしまうのだ。私には「アンサンブル」ではなく違う世界の並列に聴こえてしまう。つまり、チェロの行いに対する「感応」が感じられないのだ。または、チェロの都合とピアノの都合を妥協させてないと言うべきか。流れ重視のチェロに対して独自の世界を構築してしまうピアノ。ピアニスティックなその行き方は他の組み合わせとまったく同じだが、チェロとは溶け合わない。でも、その行き方もある意味「新発見」的演奏なのかもしれない。

ともかく、全体として、「聴いて良かった」アルバムである。妙にコンセプチュアルなせいでグリモー・フリーク以外に足踏みさせてしまいそうでもったいない気がする。

Helene Grimaud / Reflexions

Robert Schumann
Concerto pour piano et orchestre
Staatskapelle Dresden / Esa-pekka Salonen

Clara Schumann
Lieder
Anne Sofie von Otter

Johannes Brahms
Sonate pour piano et violoncelle no.1
Truls Mork

Johannes Brahms
Deux Rhapsodies, op.79


posted by tak at 00:52| Comment(0) | TrackBack(0) | エレーヌ・グリモー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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