2006年07月26日

ヨーロッパの音

yamadatakami.JPG

鳥取県の倉吉市出身でいずれもヨーロッパで活躍する二人の弦楽器奏者が、ヨーロッパの仲間と組んでおこなった室内楽コンサート。
会場は鳥取大学芸術文化センターのアートプラザ。100人も入ればいっぱいになる部屋に100人以上の鳥取の音楽好きが集まった。知り合い比率10%強?

演奏者は以下の通り。
ヴァイオリン:山田美怜(サンタ・チェチーリア音楽院アカデミー)(写真の右端)
ヴィオラ:高見長正(フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団)(写真の左端)
チェロ:ジャン=マルク・ウェベル(フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団)(写真の右から2番目)
オーボエ:ルート・フィッサー(ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)(写真の左から2番目)

演奏曲は以下の通り。
ベンジャミン・ブリテン/オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための幻想曲
ボフスラフ・マルティヌー/ヴァイオリンとヴィオラのための3つのマドリガル
エルンスト・フォン・ドホナーニ/弦楽三重奏のためのセレナーデ
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト/オーボエ四重奏曲
アンコール:エリック・サティ/ジュ・トゥ・ヴ(千成拓夫編曲)
アンコール:岡野貞一/ふるさと(千成拓夫編曲)

見かけ上は日本人2人西欧人2人だが、出てくる音、身振りは4人ともヨーロッパそのもの。テクニックは万全で、歌心に満ちている。もっとも感嘆したのは彼らのスピード感覚。動体視力ならぬ動体「耳」力がすばらしい。流れの中でアンサンブルが正確に合っている。もっさり感ゼロ。
しかも、ヨーロッパ音楽の伝統や知識をもとにそれぞれの作曲家の音楽を捉え、その特性を提示している。伝統に浸って生活している強みだ。それはおそらく伝統の外側にいるわれわれ普通の日本人にこそ強く感じられるものだろう。
日本で普通に暮らしているとこういう演奏はなかなか聴けないものだ。
なかでも、コンセルトヘボウのオーボイスト、フィッサーさんの音楽性はとてつもない。その音で音楽世界を構築する力を持っている。提示された世界を受け入れ、ひれ伏すしかない。音楽解釈の絶対性を感じた。

ブリテンもマルティヌーもドホナーニも、恥ずかしながら初聴き。どれもとてもすばらしい曲だ。
ブリテンは、4人が4人とも好き勝手やっているようで、それが足し算みたいにきちんとひとつの音楽を構成する。
マルティヌーは、交響曲にも聴かれるのと同じように、ボヘミアっぽい旋律とジャズっぽいリズムが同居する。たった2本の弦楽器なのに、恐ろしくたくさんの音を弾いているために、とても饒舌で充実した音楽だ。
ドホナーニは、5楽章形式で、モーツァルトのセレナーデを意識しているのだろう。各楽章がコンパクトだ。第5楽章はロンド。とはいえ循環形式っぽく前の楽章のメロディがコーダあたりに現れる。
モーツァルトはフィッサーさんの独擅場。湿度が高いせいかリードの状態がよくなかったようだが、軽みに走らず構築性と流動性を同居させる。
アンコールの編曲者は倉吉のアマチュアチェロ奏者仲間。これまでもいろいろ編曲されていたが、今回のは秀逸。

私の誕生日にとてもリッチなプレゼントをいただいた。


ラベル:音楽会
posted by tak at 01:08| Comment(0) | TrackBack(2) | 音楽的活動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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