2006年09月22日

クナッパーツブッシュ、二つのザルツブルク・アルバム

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オルフェオから出た(一部再発)の、クナッパーツブッシュのザルツブルク音楽祭でのライブ。

まずブルックナー。一応今回が初の正規録音。
非正規では何度も出た。GOLDEN MELODRAMやARCHIPELやあれやこれや。私が最初に手に入れたのはDENONがワルター協会盤を出していたころの日本製のCDである。
これまでのはおそらく放送されたものを誰かが録音したものだと思うが、今回のは放送局のマスターテープを使えたのだろう。ただし、それで劇的に音が良くなったわけではない。49年録音だし。
それでも、今回のは初めてこの演奏を集中して聴けたような気がする、良い音だ。響きはほとんどカットされ痩せ衰えた音ではあるが、まあ何とか音の芯が残っている。

今回改めて気がついたのが、主要でない部分でのオケの(または指揮者の)入れ込み具合。
第2楽章第1主題の3回目の部分で、伴奏のヴァイオリンは6連符を演奏しているが、その6連符が歌いまくり。負けじとメロディも叫ぶ。面白い。
また、第3楽章のトリオが異常に豪華な演奏。構えが大きく、感情の起伏が激しく、カタルシスがある。
「ブルックナーの7番、どれがいいですか」って聴かれて、これを薦めて顰蹙買うかもしれない、と心配するくらい、マイベストだ。

次にブラームス。
悲劇的と3番のカップリングですでにずっと前に同じオルフェオから出ていて、愛聴盤だった。
改めて聴いての感想は、これまでと全然変わらず。

この悲劇的序曲の演奏には、縦の線という概念がない。なぜだか知らないが、オケが縦の線を揃える暇のないままうねうねと進んでうねうねと終わっている。
そのうねうね具合が非常に心地よいというか名人芸的ですきなのだが、「この揃わなさがいいんです!」なんて主張するとさらに顰蹙を買いそうだ。

さて、今回初出(正規では、かな)のピアノ・コンチェルトの2番。これまで出なかったのが分かるような、ちょっと問題の演奏だ。
カーゾンのピアノは、ミスタッチが多すぎる。いや、ミスタッチが問題なんじゃない。音楽がいつまでたってもまとまらない。ミスタッチが出てあせってさらに音楽がゆがんで、というような。
伴奏のオケは万全。1曲目の揃わなさは影を潜め、絶妙のアンサンブルを聴かせる。ホルンやチェロのソロもばっちし。
いろいろあっても観客の拍手は凄いし、あろうことか今月のレコ芸でも褒められまくっている。まあ、私の聴く耳がないということにしといてください。

交響曲第3番は指揮者本人はにこりともしないのに客席爆笑のギャグ百連発のような。現代ではこんなやりたい放題はできない。
でも、本当に素晴らしいのは、そういったことでなく、オケの一体感と流れの良さだろう。クナッパーツブッシュの音楽はとかくその恣意性だけで語られがちだが、オケの流れを作る能力こそもっと讃えられるべきだろう。

今でもこれだけクナッパーツブッシュのCDが発売され、売れている(たぶん)というのは、喜ぶべきなんだろうか。


Anton Bruckner
Symphonie No.7 in E-Dur

Hans Knappertsbusch
Wiener Philharmoniker

Rot-Weiß-Rot, 1949.8.30, Altes Festspielhaus, Salzburg


Johannes Brahms
Tragische Ouvertüre op.81
KlavierKonzert No.2 B-Dur op.83
Symphonie No.3 F-Dur op.90

Sir Clifford Curzon, piano
Hans Knappertsbusch
Wiener Philharmoniker

Rot-Weiß-Rot, 1955.7.26, Altes Festspielhaus, Salzburg


ORFEO


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