今やオーストラリア・エロクアンスでしか手に入らないドホナーニとウィーン・フィルのストラヴィンスキーとバルトーク。
何せウィーン・フィルが演奏したこれらの曲はCDではほとんど出ていない。
「ペトルーシュカ」はこれとマゼールだけ、「中国の不思議な役人」は全曲盤はこれのみ(DVDではブーレーズがある)。
この頃のウィーン・フィルというのは今よりもはるかにローカル色が濃い。技術的にはいちばん良くなかった頃だったんじゃないだろうか。
それでも、このペトルーシュカは精緻である。在るべきタイミングで在るべき音が鳴る。正確なアンサンブル。しかも決して機械的ではない。上手くないからではなくて、音楽的であるという意味で。
音楽の向かう方向性をオケが見事につかんでいる。それを的確に示唆しているのがドホナーニだ。
録音がまた美しい。今は無きゾフィエンザールの美しい響き。
役人も上手い!リズムが良い。始まってちょっとしてからのヴィオラから始まる3拍子系の部分、とても正確な3拍子で、それだけでしびれる。相当容赦ないリハーサルだったんだろう。
クラリネットのソロ(ソリ)、トロンボーンのグリッサンド、経過句的なリズムの音楽、ひとつひとつの楽節が魅力に満ちている。ぼうっとして聴いててもその音楽に自然に耳が行ってしまう。
最後の部分の邪悪さがまた素晴らしい。
何でこんな演奏がお蔵入りしていたんだろうか。
Christoph von Dohnányi
Wiener Philharmoniker
Igor Stravinsky
Petrushka (Revised 1947 version)
piano: Horst Göbel
1977.12.6-15, Sofiensaal, Wien
Béla Bartók
The Miraculous Mandarin
Chor der Wiener Staatsoper (Chorus master: Helmut Froschauer)
1977.11.22-24, Sofiensaal, Wien
Decca
【クリストフ・フォン・ドホナーニの最新記事】



同じ音源のCDの記事からトラックバックさせてもらいました。再評価されてもいい録音だと私も感じました。
弊記事にも書きましたが、『火の鳥』『二つの肖像』の録音も、すぐに廃盤になってしまったようです。