2006年10月18日

ドホナーニの火の鳥

dohnanyi_wph_firebird.jpg

こないだのペトルーシュカに続いて、オーストラリア・エロクアンスもの。
LPでの構成は、火の鳥で1枚、ペトルーシュカで1枚、役人と2つの肖像で1枚だったようだ。でも、録音日を見ると今のカップリングの組み合わせで録っている。

まず火の鳥。
やれやれ、これまた尋常でない精度の演奏だ。比類なきタイミングの正確さ、表情付けの的確さ。本当にねちねちした練習だったんだろうなあ。こういうぎちぎちした正確さを要求されるのってオケはいやなものだ。とくにウィーン・フィルだし。それで昔ギュンター・ヴァントと決裂したし。
それ以上にこの演奏を価値あるものにしているのは、全体に漂う「品」だろう。ヨーロッパ的「品」。音楽の都人としてのフィルハーモニカー、ベルリン生まれのヨーロッパ的コスモポリタンたるドホナーニ、英国病的栄枯盛衰を象徴するDECCA。野蛮時代のストラヴィンスキーの3曲の中でももっともメルヒェン的な火の鳥。そういった要素の混淆が「品」を醸し出すのだろうか。

バルトークの2つの肖像の1曲目のソロ・ヴァイオリンは、今や指揮者としてのほうが有名なエーリッヒ・ビンダー。当たり前だが達者なソロ。民族性よりも汎欧州性を感じる。
2曲目は、結構野蛮系の演奏。でも精密。

いずれも非常に素晴らしい演奏でありながら、精度が高いがゆえに雑味成分が薄れ、個性が聴こえてこないと思われがちな演奏なのかもしれない。
しかし、細部が聴き取れる聴者には比類なき演奏に聴こえるはずだ。


Christoph von Dohnányi
Wiener Philharmoniker

Igor Stravinsky
The Firebird (1910 version)
1979.9.27-10.9, Sofiensaal, Wien

Béla Bartók
Two Portraits
solo violin: Erich Binder
1979.9.26, Sofiensaal, Wien

Decca


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