2007年01月09日

ティーレマンのブルックナー

thielemann_bruckner5.JPG

発売から1年遅れぐらいであろうか、ようやく聴くことができたティーレマンのブルックナーの5番。
クラシック音楽界を背負って立つ新世代の指揮者の一人であるが、いまだ実演に接し得ないでいる。
それでも、FMで放送されるWPhとのライブなどを聴いていて、「本物」である確信は揺らいでいない。

このブルックナーは、ミュンヘン・フィルへの音楽監督就任記念のコンサートの収録であっただろうか。恐るべき完成度だ。
この巨大な交響曲の、巨大な演奏で(82分)、第1楽章の冒頭から第4楽章の最後まで、一切のスタミナ配分的緩みなし、常に全力投球である。しかも無理やり感はない。
もちろん今どきのライブ録音が、本番一発録りで制作されるわけがなく、リハーサル、ゲネプロ、3回くらいの本番を全部録った中で編集されるはずだが、それでもどの楽章かを最初に、どの楽章かを最後に演奏するわけで、どの楽章も疲れていない状態で演奏できるはずはない。


実際、ミュンヘン・フィルの個々のプレイヤーの実力は、WPhとかBPOとかRCOとか、近所のBRSOとかには及ばないと思う。でも、この演奏の中では一切そういった面でのハンディキャップを感じさせない。
そこにはティーレマンの演奏者に対する細やかな配慮とか気配りがあってのことだろうと感じる。それによって特に音量の小さなところで、プレイヤーの集中とリラックスを感じさせるような気がする。
そういう気配りの積み上げがこの巨大な構築物を支えているのであって、ただ音がでかいだけの演奏では決してない。そもそもこんな巨大な音のする演奏で、よくこれだけ縦の線が管理できるものだ。カラヤンの演奏なんて2楽章でえらいことになっているのに。
巨大な音響にしても、音程がいいからこそ無理やりでなくても音が鳴るのであろう。ティーレマンの耳の確かさによるものであることは間違いない。

素晴らしい演奏である。

Anton Bruckner
Symphonie Nr.5 in B-Dur

Christian Thielemann
Münchner Philharmoniker

2004.10, München, Gasteig. Live recording


この記事へのコメント
ミュンヘン・フィルのブルックナーということで、出てすぐに買いました。チェリやヴァントとは方向性が違いますが、ゴツゴツした音の塊感がなかなかいいですね。録音はもう少しクリアだったらなあ、と思いますが。
Posted by takemoto at 2007年01月09日 12:17
> ゴツゴツした音の塊感がなかなかいいですね。

そうそう、ミュンヘン・フィルってケンペ時代からそんな感じあるよね。

> 録音はもう少しクリアだったらなあ、と思いますが。

これは音量のレベルが高すぎて、収まりきってないんだと思うよ。
Posted by 井上拓也 at 2007年01月09日 21:33
すばらしい演奏つながりで
最近 おもしろい動画見つけました。

【演奏】ナカリャコフ(Tp)
【演目】ハイドン トランペット協奏曲
http://www.youtube.com/watch?v=tM7YaVoVmsI
http://www.youtube.com/watch?v=Va3fs78olT4
http://www.youtube.com/watch?v=_z7B6cUklhE

こんなのが落ちてるんですね。

Posted by toyoura at 2007年01月09日 23:33
toyoura様
う〜ん、著作権的無法地帯。我が家がナローバンド環境でなければバンバン見ちゃうんだろうなあ。幸か不幸かYoutubeにはまらないでいられます。
Posted by 井上拓也 at 2007年01月11日 01:07
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