2007年03月08日

セルのブルックナー/クリーブランドの3番と8番

szell_bruckner3_8_co.JPG

定番である。セルのブルックナーは、最近では各種ライブが手に入るようになったが、スタジオ録音はこの2曲だけだ。
3番は輸入盤ではMASTER WORKSシリーズでずっと出ていたし、8番は国内盤でいつでも見かけた。
写真の形での発売は、ケースの表記から判断するに、1994年であろうか。

これらの演奏を初めて聴いたのは中学生のときである。8番は兄が買った。3番は貸しレコード店(そういうのがあったのだ)で借りて、カセットテープに録音して聴いていた。
写真のディスクを買ったのは最近だが、印象にぶれはないものの、今は違う聴き方をするようになっている。

3番の演奏は、ちょっと小ぢんまりと聴こえる。2管編成であることもあろうが、それよりも指揮者の求心力が強くて、アンサンブルのまとまりが良いことがそう聴こえさせていると感じる。
いつものクリーブランドらしく、ヨーロッパ的な柔らか味を湛え、ゆとりを感じる演奏だ。セルがアンサンブルと同時にそういった音楽の豊かさを常に追求したことがよく分かる。8番以上に評価されていい演奏だと思う。

その8番に関しては、3管編成にホルン8本という雄大なオケが、まさに雄大に鳴っているのはわかるが、指揮者の求心力が弱く感じられる。
骨格の構築は確かだし、表情の統一も綿密だし、ブルックナーがブルックナーらしく演奏されているし、いい演奏であることは疑いがないが、彼らがこれ以上の演奏ができることは、同時期のライブ盤が示している。
最近は個人的に、放送音源とかのライブの演奏をあまり珍重しないようになって、スタジオ録音に面白みを見出すようになっているのだが、それでもライブの方がいい場合もある。そのライブ盤についてはまたいずれ。

思えばCBSはこの頃までにブルックナーの主要曲をかなり録音している。ブルーノ・ワルターとの4,7,9番、ユージン・オーマンディとの4,5番(7番はRCA)、バーンスタインとの9番。
そうしてみると、セルがレパートリーにしていた3番と8番を良い形で残せたのは、時代のもたらした幸運だったかもしれない。

なお、楽譜はいずれもノーヴァク版で、3番は第3稿、8番は第2稿、つまりいちばん普通に演奏されるヴァージョン。


George Szell
Cleveland Orchestra

Anton Bruckner

Symphonie Nr.3 d-moll
1966.1.28-29, Severance Hall

Symphonie Nr.8 c-moll
1969.10.3, 6, 10 & 13, Severance Hall

SONY CLASSICAL


posted by tak at 00:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ジョージ・セル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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