2007年04月15日

ドホナーニ/グラス/シュニトケ

dohnanyi_glass_schnittke.JPG

ドホナーニ物件で最も手に入りにくいと思っていた1枚。難なく某オークションで手に入れることができた。
ウィーン・フィルによるフィリップ・グラスとアルフレート・シュニトケである。この内、シュニトケだけは同じシュニトケのヴァイオリン協奏曲(指揮はハインリッヒ・シフ)とのカップリングで現役盤である。

フィリップ・グラスは、伝統的なオーケストラ編成と、伝統的な3楽章構成で書かれているが、あのいつものポップス崩れのようなチャラい感じの音楽なのである。
でも私は嫌いではない。ミニマル音楽の旗手らしく、ワン・アイデア(ワンフレーズ)を繰り返しているだけのような曲だけど、それでいいではないか。愁いを感じさせるモチーフは十分美しい。それをウィーン・フィルが演奏することで、演奏に揺らぎが生じ、ミニマルな音楽に波紋が広がっていく。つまり、ミニマルらしくない。
クレーメルはいつもの表現過多な演奏で、それもまたグラスにふさわしくないとも言えるが、それもまたよい。グラスらしいミニマルな演奏はほかにいくらでもあるだろうから。リラックスして聴く上質のポップ・ミュージック。

シュニトケは、厳しい音楽だ。クレーメルは万全である。ウィーン・フィルも丁寧にバックアップする。ひとつひとつのソロが美しい。
ピアノはシンセサイザーのような音響に増幅されているが、それがこの曲の絶対音楽的厳しさもさらに増幅しているように感じる。因みに冒頭の和音はバッハの無伴奏パルティータ3番のジーグと同じか。

2曲ともコンチェルトでありゲンダイオンガクであるためもあって、ドホナーニのドホナーニらしい表現が明瞭に聴き取れるわけではないが、むしろこういったタイプの曲を的確に音楽としてまとめ上げ、上質で上品な音楽として聴かせる手腕がドホナーニらしいと言えるかもしれない。


Philip Glass
Concento for Violin and Orchestra

Gidon Kremer, Violin
Wiener Philharmoniker
Christoph von Dohnányi

1992.2, Wien, Musikverein, Großer Saal

Alfred Schnittke
Concerto Grosso No.5 for Violin, an Invisible Piano(Amplified, behind the stage) and Orchestra

Gidon Kremer, Violin
Rainer Keuschnig, Piano
Wiener Philharmoniker
Christoph von Dohnányi

1991.11, Wien, Musikverein, Großer Saal


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