2007年05月08日

マッケラス/シベリウス

mackerras_sibelius2.JPG

サー・チャールズ・マッケラスの名前が私の心に深く刻まれるきっかけとなった録音である。

最初に聴いたのは、東京に住んでいたころの近所にあった杉並区立中央図書館のCDライブラリーから借り出した国内盤。
シベ2と聴けば茫洋としてスケールが大きくてぼんやりとした演奏を頭に描いていたのが、この演奏は隅々までクリアで、霧が晴れたようになんとも清新なのだ。
それがまた小ぢんまりしているのでなく、クリアなままスケールが巨大化する。曲の最後にはティンパニの楽譜の改変まである。なんだこの指揮者は?という感じであった。
ちなみにカップリングの「トゥオネラの白鳥」は茫洋とした演奏。

今持っているのは、その後買いなおした輸入盤である。PICKWICKという弱小レーベル(失礼)で、どうもLSOの経営改善のために収益向上をめざして出したLSOシリーズのようである。今どきの自主制作モノと違って、この時代のオケのシリーズものは悲壮感が漂っているのである。
それでも中には、リチャード・ヒコックスのカルミナ・ブラーナや惑星、ロジェストヴェンスキーのラフマニノフの交響曲第2番なんていうソソる録音もある。

なお、マッケラスはロイヤル・フィルとも同じようにロイヤル・フィル・コレクション(今では1枚390円とかで売っているもっと悲壮感漂うシリーズ)の中でシベリウスの2番を録音しているが、こちらはオケが非力であまりいただけない演奏である。

なんていうことを打ちながら今聴いているけど、どうもこの時代はまだLSOが今のようなヴィルトゥオーゾ・オーケストラになる前のようだ。
今のLSOは私としては世界の10本の指に入る名門だと捉えているが、70年代にはまだアマチュアリズムが顔をのぞかせていた。この頃はまだ過渡期であろうか。
ちなみに88年はアバドの音楽監督時代の最後の年である。
とは言いつつも、あの難しそうな(プロにとっては難しくない?)3楽章できっちりと合わせつつスケールを感じさせるあたりはやはり上手いオケである。
4楽章の快速テンポも見事。


追記
記憶を頼りに「ロイヤル・フィルは非力」なんて書いたが、これはこれで面白い。きっちりとしてないけど気合一発の爆演系。


Sir Charles Mackerras
London Symphony Orchestra

Jan Sibelius

The Swan of Tuonela
Symphony No.2 in D major, op.43

1988.6.5-6, EMI Studios, Abbey Road
PICKWICK


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