2007年05月12日

トスカニーニのブルックナー

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ついに出た!トスカニーニの指揮したブルックナー!
演奏記録にあるのは知っていたが(マーラーもあるらしい)、本当に聴ける日が来るとは!

覚悟していたが音は悪い。多分機械式録音なんだろう。アセテート盤への記録で、アセテート・カッターが1台しかなかったために、盤の切り替えでぶっつりと音楽が飛んでいるところがある。

そして演奏であるが、なんともニューヨーク・フィル(の前身)が上手い!カンタービレに満ちているしアンサンブルの整い方が気持ちよい。そしてそれはもちろんトスカニーニ自身の個性であり、トレーニングの賜物であろう。
オケが上手いために、ブルックナー的演奏様式からの逸脱とかはあってもそれは全然気にならない。ポルタメントはかかっているし、テンポはしょっちゅう揺らぐ。でも、これはこれでいいじゃないか。2楽章の2回目に第1主題が出てくるところのテンポなど、これぞブルックナー!というすばらしい部分もそこここにある。
実はそれよりも気になったのが、改訂部分(というか改竄部分)。4楽章では特に、聴いたことのない対旋律がいっぱいあって、それがまた後期ロマン派的半音階進行だったりして、かなりいやらしい感じ。それはそれで、ブルックナーを後期ロマン派に引き寄せて大衆に分かりやすくするという改竄のテクニックを分からせて、なるほどと思った。
なお、最後には一瞬聴衆の拍手も記録されている。

というわけで、完全にヲタク(アルトゥーロとアントンの)だけを向いたディスクですから、巷の健全な音楽ファンは全く手を出そうと考えなくていいですよ。

さて、ニューヨーク・フィルはどれくらい上手かったんだろうか、ということで、いろいろとCDを引っ張り出してきた。
彼のニューヨーク・フィルの音楽監督の任期の最初のシーズン(1928/29)である1929年3月に録音された「時計」と「ハフナー」はまだもうちょっとという感じ。
同じ年35年3月のブラームスのピアノ協奏曲の1番は録音が悪すぎて全然分からない。
音楽監督最後のシーズンの36年4月10日のハイドン・ヴァリエーションはやはり万全。木管の上手さが際立つ。
次の音楽監督であるジョン・バルビローリの、3年目のシーズンである38年11月20日のライブ録音のワーグナーは、なんとも自信たっぷりの上手さ。
トスカニーニ時代に黄金時代を築き、バルビローリ時代はそのまま引き継いだようだ。それが50年代には。。。

ところでこのCD、アンスフェルデンなるレーベルのANS-0127という型番である。
そもそも、非常に手作り感が強く、もちろんCD-R。レーベル名は初耳。型番を見ればもうこの前に126枚もリリースしているのかと思ったが、例のブルックナー・ディスコグラフィ・サイトにもこの同じCDしかない(昨日登録された!この人も私と同じ日に受け取ったらしい)。
http://www.abruckner.com/newreleases/newreleases/
おそらく、録音日からもじった番号だろう。
ちなみに、「アンスフェルデン」とはブルックナーの生地である。レーベル名としては初耳でも、ブルックナー・ファンならみんな知っている地名だ。彼の有名な"The Bells of Saint Florian"と一緒で、レーベル名を見てニヤッとする訳だ。いやーね、ヲタクって。
レーベルのアイコン(のようなものは)アンスフェルデンの聖堂を描いた切手らしい。

追記
トスカニーニ先生、歌ってます!1楽章展開部とか2楽章とか。


Arturo Toscanini
Philharmonic Symphony Society od New York

Anton Bruckner
Symphonie Nr.7 E-Dur
(Gutmann Edition)

1. Allegro moderato 18:06
*Missing: Last 7 bars of movement

2. Adagio. Sehr feierlich und sehr langsam 20:57
*Missing: 3 beats beginning 4 bars before Y

3. Scherzo. Sehr schnell

4. Finale. Bewegt, doch nicht schnell
47 bars cut between R and V
*Missing 13 bars after L


1935.1.27, Carnegie Hall
Ansfelden ANS-0127


この記事へのコメント
はじめまして、トスカニーニのブルックナーをわたしも聴きました。そこで、ブログ検索いたしましたこちらのブログ記事が素晴らしいのでトラックバックさせてください。
Posted by Rボーダー at 2007年05月14日 01:44
いらっしゃいませ。トスカニーニは以前はずいぶん揃えましたが、最近は新しいものを買ってなくて、久々に新しいものを聴きました。ブルックナーマニアの私にも魅力的な録音で気に入っています。
Posted by 井上拓也 at 2007年05月16日 22:37
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Toscanini Bruckner No.7
Excerpt: {{{ アントン・ブルックナー作曲(1824-1896) 交響曲 第7番 ホ長調 ・ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団 ・アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 (録音:1935年..
Weblog: Rボーダーの『栄光のNBC交響楽団-その指揮者とソリストたち』
Tracked: 2007-05-14 01:46


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