2007年09月11日

ザンデルリンクのブラームス

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最近絶好調のWeitblickから発売された、ザンデルリンクのブラームスの交響曲第4番。

1999年の3月だっただろうか、ザンデルリンクを聴きたくて初めて渡欧した。そのときの公演は、シュトゥットガルト国立歌劇場管弦楽団とのコンサートで、大学の先輩がちょうどシュトゥットガルトに留学しておられ、その方を頼って、4泊も泊めてもらって、ザンデルリンクの指揮でショスタコーヴィチのチェロコンチェルトの2番(彼の末の息子がソロ)とブラームスを、2日とも聴いた。
本来ブラームスの4番は、巨大さとは無縁だが、そこで聴けた音楽は恐ろしいほどの壮大さを持ち、それがまたこの曲の一面を正確に表していると感じられた。
ちなみにこのときは4日ともシュトゥットガルトにいて、初日は先輩の車でチューリヒ・オペラに遠征して、ホセ・クーラの歌う「アンドレア・シェニエ」、現地メンバーでマタイ受難曲、そしてザンデルリンク2日連続、という贅沢な日々であった。

さてこのCD、私が聴いたザンデルリンクよりも15年も前の録音である。
プログラムをよく見れば3大Bでそろえてある。
1曲目のエグモントから全力投球、力強くかつ柔らかくてミクロに見れば細やかで、マクロに見ればスケールが大きいザンデルリンクの特長のままの演奏である。
2曲目のバッハは編成を小さくし、目のつんだ凝縮力のある、しかも今にも火の付きそうなホットな演奏である。もちろんピリオド・アプローチではないが、さりとてべたべたふにゃふにゃなモダン・スタイルでもない。この凝縮力、緊張感が東独の指揮者たるザンデルリンクのさせる業だろうか。
メインのブラームスは、極上。99年の最晩年にはもっといろいろやっていたが、この頃はある意味ストレート。でもこんな巨大なブラームスを聴かせる指揮者は少ないだろう。

この頃のミュンヘン・フィルは、チェリビダッケの治世の最初の頃。楽員のレベルが高い頃である。オケのうまさあってこその名演である。

音質は極上。ライブの空気を伝えるすばらしい録音である。

某日本人の書いた解説は何の役にも立たない。初心者が買う類のCDじゃないんだからザンデルリンクの一般論を述べてもしょうがなかろう。ザンデルリンクとミュンヘン・フィルの組み合わせは珍しいのだから、どれくらいの頻度でどんな公演をしていたか書いたほうがよっぽど役に立つ。


Kurt Sanderling
Münchner Philharmoniker

Ludwig van Beethoven
Egmont Ouvertüre op.84

Johann Sebastian Bach
Konsert für 2 Violinen, Streicher und Continuo d-moll, BWV1043
Violine: Ingo Sinnhoffer, Sreten Krstic, Cembalo: Albert Müller

Johannes Brahms
Sinfonie Nr.4 e-moll, op.98

1984.12.23, Herkulessaal

Weitblick


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