2007年10月30日

ヘレヴェッヘ・レトロパースペクティヴ

herreweghe_retroperspective.JPG

我が教祖様、フィリップ・ヘレヴェッヘが自ら編んだ、1981年から2007年の録音のコンピレーションと、さらに古い活動の映像や同僚たちのインタビューを収めたDVDである。
レトロスペクティヴとパースペクティヴを掛けた造語でこのコンピレーションを表現したのもまたふさわしい。

ヒーリング系コンピレーション並みに癒される(いや、聴いたことはないんですけどね)、耳のご馳走(と言うかデザート)のような、優しい音楽たちである。
収録曲はざっと以下のとおり。

1枚目 "Early music"
バッハのマタイ受難曲から、カンタータから、ラッスス、モンテヴェルディ、シャイン、ジル、パーセル
2枚目 "Modern times"
グラン・パルティータ、ミサ・ソレムニス、エリア、真夏の夜の夢、ドイツ・レクイエム、ライン、夏の夜、ロマンティック、こどもの不思議な角笛、月に憑かれたピエロ、ベルリン・レクイエム、フォーレのレクイエム

すでに全曲盤を持っている曲が半分以上であるが、こうして並べて聴いてみると、美味しいところだけ聴く贅沢さがある。

さて、やはり注目すべきはDVDにおけるヘレヴェッヘのリハーサル風景だろう。最も感銘を受けたのが、バッハのカンタータのリハーサルでの歌手たちへの指摘。
「あなた方は、ドラマが80%、アーティキュレーションが20%で歌っている。アーティキュレーションが80%、ドラマが20%で歌うべきだ」
バッハの音楽は、すでにアーティキュレーションで全てが言い尽くされているのであり、それ以上のことはすべきでないということだろう。ベートーヴェンの第九のリハーサルが相当長く収録されているが、ここでもやはりアーティキュレーションが重視されている。

以前読んだレコード芸術でのインタビューの中で、「ブルックナーを指揮するに当たって他の指揮者の録音をあれこれ聴いてみたが、どれも楽譜どおり演奏していない。もっと楽譜にあるとおりに演奏すべきじゃないのか」というようなことを言っていた。
彼の関心は常に楽譜のありのままの姿をありのままに提示することなのだ。


ラベル:ヘレヴェッヘ
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