2010年07月02日

パパ・ヤルヴィの刮目(刮耳?)すべきタンベルク

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全く知らなかった作曲家、エストニアのエイノ・タンベルクが、こんなに素晴らしいとは!
パワフルにあふれ出る音の奔流は、出自や時代にふさわしく、ゲンダイオンガクっぽいものではなく、オネゲルやプロコフィエフの音楽を思い起こすが、彼らよりあっけらかんと爽快で、優等生的。
ジャケット裏の写真に見る作曲家の姿とあわせて聴くと、なにやらほほえましい気がする。
ライナーノートでもたびたび"powerful"という言葉で彼の音楽を表現しているが、まさにその通りである。

彼の曲の中で面白いのが、サクソフォンの扱い方。コンチェルト・グロッソでは、フルート、クラリネット、トランペット、ファゴット、ピアノとともにアルト・サックスがソロ楽器の一員として参加しているし、交響的舞曲では、アルト2本とテナー1本が効果的に使われている。
「交響的舞曲」と「サックス」といえば、ラフマニノフの傑作(1941年作曲)を思い出す。3楽章構成といい、パワフルな音楽といい、影響はあるのかもしれない。

ちなみに、CHANDOS録音での「一丁上がり!」的カジュアルな仕上がりと一線を画すきちんと折り目正しい演奏は、BISのレーベルの気質を現しているのだろう。

というわけで、パパ・ヤルヴィとハーグ・レジデンティ・オーケストラの一連の録音は、それぞれとても興味深いものだった。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=3835430

Eino Tamberg (1930- )

Suite from the ballet 'Joanna tentata' op.37a (1972)
Symphonic Dance, op.6 (1957)
Concerto Grosso, op.5 (1956)

Residentie Orkest Den Haag
Neeme Järvi

BIS 2007.9, Dr Anton Philipszaal, The Hague
タグ:ヤルヴィ
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2010年06月30日

パパ・ヤルヴィの晴朗快速マーラー#7

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お見事!この速いテンポを咀嚼したオーケストラを、楽しげに操るヤルヴィの顔が目に浮かぶ、爽やかな「夜の歌」である。
実のところ、テンポ自体は速いのだが、不自然さとか滑稽さは全くない。木管楽器の室内楽的アンサンブルを音楽の音量的基準に置き、叫ばず炸裂せず無理なく鳴るフォルティシモが心地好い。
こういう演奏を聴いたことでようやく気が付いたのだが、マーラーらしいサウンドをオーケストラ側で「作る」必要は全くなく、全てが音符に用意されていて、それを整然と、必要な音価、正しい音程、適度なバランス、そして何より適切なアクセントをつけることで、ちゃんとマーラーの音楽になる。
この演奏は、いい意味で「何も足さない、何も引かない」ちょうどいい演奏だ。そして、オーケストラ固有の晴朗な音色が彩りを添えている。

ちなみにこの演奏、最も遅いクレンペラー/ニュー・フィルハーモニアの100分かかる演奏より、30分も短い。1楽章をアンコールしてもまだ足りないくらい(笑)。それでもちゃんと両方マーラーの7番に聴こえるというのがすごいですね。

しかしまあ、最近のネーメ・ヤルヴィの怒涛の新譜ラッシュはどうしたことか?紹介したブルックナー、リヒャルト・シュトラウス、マーラー以外にも、ハルヴォルセン、ブラームスのドッペル、まだ届いてないいくつかのもの、ほかにもパルジファルの管弦楽組曲。生き急いでいるのはヤルヴィか、録音会社か?

そういえばヤルヴィのマーラー、スコティッシュ・ナショナル管とシャンドスに1,3,4,5,6、チャリティのコンサート収録でBISにエーテボリ響と8、寄せ集めオケとDVDで2、さらに今回の7で、1から8まで揃っちゃいました。ヤルヴィさん、がんばって9番もどこかに録音してください!


Gustav Mahler
Symphony No.7
I. 20:40 II. 12:53 III. 9:10 IV. 9:54 IV. 17:09 TT 70:10

Residentie Orchestra The Hague
concert master: Lucian-Leonard Raiciof
Neeme Järvi

2009.6.5-6, Dr Anton Philipszaal, The Hague
タグ:マーラー
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2010年06月08日

パパ・ヤルヴィのアルペン・シンフォニー

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最近にわかに録音・映像の発売が増えたネーメ・ヤルヴィの、2008年のコンサートの収録。

 ネーメ・ヤルヴィ指揮
 ハーグ・レジデンティ管弦楽団
 アルフォンス・ディーペンブロック/「エレクトラ」交響的組曲(エドゥアルド・リーザー編)
 リヒャルト・シュトラウス/オーボエ協奏曲(ソロ:パウリーネ・オーステンリーク)
 リヒャルト・シュトラウス/アルプス交響曲
 2008/1/19 Dr.アントン・フィリップ・ザール VAI

あの超速ブルックナーを演奏した同じオケで、彼は2005年から首席指揮者を務めている。
基本的に、個々の奏者のレベルは高いが、金管の音程がちょいと微妙で、ホルンは高め、トロンボーンは低めみたいな感じで、金管が鳴り出すと「惜しい」瞬間が頻発する。
弦はうまいので、柔らかな音楽の部分はとてもいい。
オーボエ協奏曲のソリストは女性で、団員。めちゃうま。聴衆総立ちの素晴らしい演奏。
アルプス交響曲は、音楽が錯綜して難しいところはミスがあるわけではないけど、ことごとく決まらない。が、しみじみとしていい演奏。ヤルヴィの表情が、カリスマ性よりも包容力を感じさせ、演奏の懐を深くしている。これよりうまい演奏はいくらでもあろうが、これより心地好い演奏はそうはなかろう。

さて、1曲目のディーペンブロック。曲に惚れました。
ざっくり言ってマーラーと同時代、後期ロマン派的な音楽だけど、音楽は独学。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF
全然構築的ではないのに、その音楽のたゆたうような流れが琴線に触れる。
確か手元にほかの曲もあったと思って探したら、Q-Discが放送音源を集めて出しているコンセルトヘボウのベイヌム編に「テ・デウム」、RCO LIVEの第5集に「Lydische Nacht」(ハンス・フォンク指揮)、ベイヌムのデッカ録音集成に「Marsyas」と、いずれもコンセルトヘボウ・オーケストラの演奏で3曲も持っていた。どれも曲も演奏も素晴らしく、ライブ音源は聴衆の反応もよく、オランダの人はみんなディーペンブロックが好きなんだなあとわかる。

おそらくこのDVD、ヤルヴィ・ファンしか買わないだろうし、自信を持って「いい!」とは言いにくいけど、これもまた素晴らしい音楽の一つの姿と感じさせる名盤である。
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2009年07月08日

祝!ネーメ・ヤルヴィのチャイコフスキー交響曲全集完結!

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全集魔、ネーメ・ヤルヴィが、また一つ交響曲全集を完成させた!
2004年に最初の「悲愴」が発売されてから足掛け6年。曲の完成度と演奏の完成度が比例するような気もするが、ともかく快挙である。本当はこの勢いでマンフレッド交響曲も録音してほしいが、我が家にはFM録音の音源があるので、まあどちらでもよい。

各ディスクの曲をまとめておく。

ネーメ・ヤルヴィ指揮
エーテボリ交響楽団

BIS-SACD-1348(2004年6月16日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/1851973
 交響曲第6番「悲愴」Op.74(録音:2004.1.23-24)
 フランチェスカ・ダ・リミニOp.32(録音:2003.9.1)
BIS-SACD-1398(2004年9月16日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/1815162
 交響曲第1番「冬の日の幻想」Op.13(録音:2002.6.17-18)
 「雪娘」Op.12(録音:2002.12.5-6)
 ロメオとジュリエット(録音:2003.8.22)
BIS-SACD-1408(2005年3月19日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/1095836
 交響曲第5番Op.64(録音:2004.8.16-17)
 地方長官Op.78(録音:2002.12.5)
 イタリア奇想曲Op.45(録音:2002.6.18)
BIS-SACD-1418(2006年7月28日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/1269849
 交響曲第2番「小ロシア」Op.17(録音:2004.12)
 序曲ヘ長調(録音:2004.8)
 デンマーク国歌による祝典序曲Op.15(録音:2004.8)
 序曲「嵐」Op.76(録音:2004.8)
BIS-SACD-1458(2008年6月10日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/2722218
 交響曲第4番Op.36(録音:2003.5)
 弦楽セレナードOp.48(録音:2005.5)
 I.V.サマーリンの追悼のための悲歌(録音:2004.8)
BIS-SACD-1468(2009年6月30日発売)http://www.hmv.co.jp/product/detail/3614246
 交響曲第3番「ポーランド」Op.29(録音:2005.3)
 歌劇「地方長官」Op.3から間奏曲と侍女の踊り(録音:2004.8)
 「偽ドミートリーとワシリー・シュイスキー」から序奏、マズルカ(録音:2004.8)
 ニコライ・ルビンシテインの命名日のためのセレナード(録音:2004.8)
 歌劇「エフゲニー・オネーギン」Op.24から序奏、ワルツ、ポロネーズ(録音:2002.12)

気付かれただろうか、ディスクの型番の末尾の数字がすべて「8」!レーベルが密かに仕組んだ遊びに違いない。
今回まとめてみて初めて気が付いたが、録音はずいぶん前に済んでいて、発売にずいぶん時間をかけている。購買意欲をコントロールされていたんだろうか(笑)。

ちなみに、ネーメ・ヤルヴィが完成させた交響曲全集は、ざっくり見た感じで以下のとおり。

ドミトリ・ショスタコーヴィチ(15曲)+協奏曲4曲+歌曲集
トゥービン(10曲)
ドヴォルザーク(9曲)
グラズノフ(8曲)
ゲーゼ(8曲)
シベリウス(7曲)(2回)+クレルヴォ+管弦楽曲
セルゲイ・プロコフィエフ(7曲)
カール・ニールセン(6曲)
マルティヌー(6曲)
チャイコフスキー(6曲)
アルヴェーン(5曲)
ブラームス(4曲)+弦楽四重奏曲第1番シェーンベルク編曲版
ベルワルド(4曲)
フランツ・シュミット(4曲)
リムスキー=コルサコフ(3曲)+シェーラザード
アルヴォ・ペルト(3曲)
フィビヒ(3曲)
ボロディン(3曲)
シテインベルク(2曲)
ステンハンマル(2曲)(2回)
バーバー(2曲)
カリンニコフ(2曲)
スヴェンセン(2曲)

全集にはなっていないが交響曲を録音したのは、マーラー(6曲)、ブルックナー(1曲)、オネゲル(2曲)、スクリャービン(3曲)、シューベルト(4曲)、ラフマニノフ(1曲)など。
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2009年02月27日

CHANDOS30_10 15ネーメ・ヤルヴィのプロコフィエフ#6

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CHANDOS30周年記念ボックスの録音を、年代順に、その年の私の思い出とともに振り返る第10回。15枚目の、ネーメ・ヤルヴィとスコティッシュ・ナショナル管弦楽団によるプロコフィエフ・ツィクルスの最初の録音である、交響曲第6番など。
http://www.chandos.net/details06.asp?CNumber=CHAN%208359

ヤルヴィは、すでにCHANDOSとは、ウェーバーのクラリネット協奏曲の伴奏で1982年に録音していたが(オケはバーミンガム市交響楽団、ソロはジャネット・ヒルトン)、スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席指揮者に就任した1984年から、ショスタコーヴィチの交響曲第1番、プロコフィエフの交響曲第6番を皮切りに、怒涛の大量録音が始まった(実際にはBISとシベリウスを録音し始めた1982年がスタートかな)。
じつは、私がネーメ・ヤルヴィとであったのは、私が高校生のときに兄が買ったプロコフィエフの交響曲第2番とロメオとジュリエット組曲第1番を聴いたのが最初である。2番の冒頭のラッパの強烈な音響にやられてしまった。
その後しばらくしてから交響曲全集を手に入れたが、ちゃんと聴いたのは最近である。
4番の改訂版を含む8曲の中で、最も過激な演奏が2番であり、最も正統的な演奏がこの6番であろう。ちなみに有名な5番は最もユルイ演奏で、1番は最も溌剌としている。
改めて6番をよく聴いてみると、この優秀なオケにとって6番はさして難しい曲ではないようで、かなり余裕が見られる。その余裕の部分に、たまにヤルヴィがロシアの(ソヴィエトの?)正統派プロコフィエフ的な「風」を吹き込む。見事なものである。

1984年は中学校1年生。このころはまだ、小学校4年生から始めた書道を続けていた。どこかの大会に出品したわけでもなく、級や段を取ったわけでもないので、いわば下手の横好きである。書道は今でも好きだ。下手だけど。

バックナンバーはこちらから。
http://takmusik.seesaa.net/tag/articles/CHANDOS30


CD15
Sergey Sergeyevich Prokofiev (1891-1953)
Symphony No.6 in E flat minor, op.111
Waltz Suite, op.110
No.2 'In the Palace' from Cinderella
No.5 'New Year's Eve Ball' from War and Peace
No.6'Happiness' from Cinderella
Neeme Järvi
Scottish National Orchestra (Leader, Edwin Paling)

1984.8.25-26 Glasgow City Hall
CHAN8359
タグ:CHANDOS CHANDOS30
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2008年09月17日

ネーメ・ヤルヴィ70歳のお誕生会

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70歳のお誕生日にコンサートを開かせてもらえる。
3人の息子・娘とともに。
しかもそれがDVDとして発売される。
こんな演奏家がいるだろうか?
ネーメ・ヤルヴィの今の境遇は本当に恵まれている。

DVDとして発売されたのは、演奏された曲が珍しく、ほとんど全部がDVD初レパートリーだからということもあるかもしれないが、リストのファウスト交響曲をDVDで発売して商売になると考える人は少なかろう。やはり、ヤルヴィ親子の力である。

演奏はいずれもエストニア国立交響楽団と同男声合唱団、2007年5月26日、タリンのエストニア・コンサート・ホールでのライブ収録。

ヴィレム・カップ 北の海岸 (Villem Kapp: Põhjarannik (North Coast))
ネーメ・ヤルヴィの指揮。
オケ伴奏の勇壮な男の歌。ヤルヴィの合唱方面での活動はよく知らないが、これはいい。合唱団のレベルの高さゆえだろう。

ヴェリョ・トルミス 三つの素敵な言葉 (Veljo Tormis: I had Three Beautiful Words)
マーリカ・ヤルヴィのフルート、ネーメ・ヤルヴィの指揮。
フルート・オブリガートと無伴奏男声合唱という、なんとも素敵な編成。ころころ転げまわるような、なんともかわいらしい曲である。マーリカはびっくりするくらい上手いし音もきれい。なんでもっと有名になってないのだろう。

ヤン・シベリウス フィンランディア (Jan Sibelius: Finlandia)
一族の大スター、パーヴォ・ヤルヴィの指揮はこれ1曲。
男声合唱つきのバージョン。これまで聴いたあらゆるフィンランディアの中で、音楽の構築具合がもっともハマった名演である。特に序奏の部分のダイナミクスの細かい設定がツボにはまる。エストニアの人にとって必ずしも「自分の」曲ではなかろうが、同じような被抑圧者としての共感がにじむ。

ヘイノ・エラー フルートと弦楽のための3つの小品 (Heino Eller: Three Pieces for Flute and String Orchestra (Orch. by Charles Coleman))
マーリカ・ヤルヴィのフルート、クリスチャン・ヤルヴィの指揮。
元はピアノ伴奏なんだろうか。フルートの人にも弦楽合奏団にも、素晴らしいレパートリーが一つ増えた。本当にかぐわしいばかりに花が咲き誇るような、華やぎと安らぎに満ちた曲である。

カール・ニールセン 「アラディン」組曲から3つの楽章 (Carl Nielsen: Three movements from the Aladdin Suite)
クリスチャン・ヤルヴィの指揮。
これはDGにネーメ・ヤルヴィも録音してる。どこを取ってもエキゾチックでちと品がない音が鳴る曲で、もっと有名になってもいい曲だと思う。
クリスチャンの演奏は、パパ・ヤルヴィと同じ下品丸出し系でよろしい。ただ、指揮振りはちょっとくねくねしてて気持ち悪いんだよなあ。最近ウィーン・トンキュンストラーのオケの常任指揮者だか音楽監督だかに就任してフランツ・シュミットの7つの封印を有する書なんかを録音して上り調子だし、がんばってほしい。来日公演が名曲プロなのは致し方ないが。

フランツ・リスト ファウスト交響曲 (Franz Liszt: A Faust Symphony in the three character studies)
ネーメ・ヤルヴィの指揮。
ネーメは、この曲がやりたくてこのコンサートを開いたのでは?今どきこんな曲を商業用録音させてくれるレーベルもなかろう。
中学生のときに聴いたきりだから、一度聴いたくらいでは全然曲が分からない。と思ったらこれはワーグナー大好き!って言ってるような曲なんですな。リングとか、パルジファルとか、ワーグナーがこだまのように聴こえて。
パパ・ヤルヴィも確かに一度はやりたいと思うような大きさを持った曲だ。エストニアのオケがこの曲をやったことがあるとは思えないけど、十分に咀嚼しきった、熱のこもったよい演奏であった。観客総立ち。

なんともほほえましいコンサートであった。
タグ:ヤルヴィ
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2008年02月13日

ヤルヴィの「復活」

jarvi_mahler2.JPG

ネーメ・ヤルヴィが、ニューヨークのリヴァーサイド教会でマーラーの「復活」を指揮した演奏会の映像である。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=2664330

DVDのライナーノートを読んでも、DVDを見ても、リヴァーサイド教会設立75周年なんて言葉は全然出てこないんだが、リヴァーサイド教会のサイトで確認してみると、ちゃんとコンサートのデータが残っていた。
http://www.theriversidechurchny.org/events/index.php?event=3328

教会のサイトにも書かれている通り、このコンサートの実現に尽力したのは、引退したニューヨーク・フィルのオーボエ奏者であるJoseph Robinson氏。
このビデオのプロデューサーであるJason Starr氏がRobinson氏に「マーラーの第2のドキュメンタリーを撮るのが夢なんだ」と語ったことが発端だそうである。
そして、ライナーには「リヴァーサイド教会が会場を提供してくれた」とある。

ひょっとすると、まずは「復活」の映像収録というプロジェクトがプロデューサーの頭にあり、Robinson氏のおかげでメンバーが集まり、結果的にリヴァーサイド教会の75周年行事としてコンサートが実現した、という順序だろうか。
演奏の前に収録された、いろいろなオーケストラから集まって「ネーメ・ヤルヴィのドリームオーケストラ」を構成したメンバーたちのインタビューが収められているが、このコンサートの素晴らしい結果やめったにない他のオケのプレーヤーとの共演に興奮冷めやらぬ様子が見て取れる。
そう、プロジェクトとしても素晴らしいし、演奏も一級品なのだ。

ちなみに、2006年のヤルヴィの足跡は以下のとおりたどれる。2006年はヤルヴィのヴィンテージ・イヤーだ。

2006.4.11 ニューヨークでリヴァーサイド教会コンサート

2006.6.18 ベルリンでヴァルトビューネ・コンサート
http://takmusik.seesaa.net/article/44364589.html
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2554909

2006.7.4 京都市交響楽団定期演奏会
http://takmusik.seesaa.net/article/20340630.html
http://takmusik.seesaa.net/article/20427285.html


Gustav Mahler
Symphony No.2 in C minor, "Resurrection"

Neeme Järvi
Musicians from New York Philharmonic, Philadelphia Orchestra, New Jersey Symphony, Detroit Symphony, Metropolitan Opera Orchestra,
Susanne Mentzer, Mezzo-soprano
Twyla Robinson, Soprano
New York Choral Artist's and Riverside Chorale, Chorus Master; Joseph Flummerfelt

2006.4.11, Riverside Church, New York
VAI (VIDEO ARTISTS INTERNATIONAL)
タグ:マーラー
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2007年08月30日

ヤルヴィのニールセン管弦楽曲集

jarvi_nielsenorch.JPG

シンフォニーが飛びぬけて有名で、コンチェルトと木管五重奏が局地的に有名なニールセンの、なぜ有名にならないのか不思議なほど傑出した管弦楽曲集。
本当は管弦楽曲集なんて無味乾燥な言い方をしたくない。ストーリー的な要素の強い音楽ばかりなので、むしろロマンティック音楽集といったほうがいいような気がする。
そう言いたくなるほど、音楽自身が物語を編んでいくような曲である。
曲名の日本語訳はこんな感じ。

仮面舞踏会
狂詩的序曲「フェロー諸島への幻視旅行」
ヘリオス
サガの夢
パンとシランクス
アラディン

これだけまとまったニールセンの曲集もなかろうが、現在廃盤中。

演奏については、もうちょっと練習を積んで録音してほしかった、という感じだ。例えば、第4交響曲なんかはエーテボリもけっこうやる機会があるだろうから、曲が手の内に入っているのが聴いて分かるんだが、この曲集の曲は弾けてはいるけど手の内には入っていないようだ。
それでも、アラディンの東方祭行進曲とかニグロ・ダンスとか、体が心からリズムを取りたくなるような本能を揺さぶる音楽はけっこういけてる。これらはベルリン・フィルのヴァルトビューネでも取り上げていたが、どのオケでもノリノリでできちゃう曲だろう。この脳天直撃おバカ系音楽をもっとみんなに聴いてほしいなあ。
「サガの夢」の印象的な金管のコラールも美しい。

ちなみにヤフオクで入手。


Carl Nielsen

Maskarade FS 39
Rhapsodic Overture: A Fantasy Journey to the Faroes FS 123
Helios Overture FS 32
Saga-Dream FS 46
Pan and Syrinx
Aladdin

1995.5

Göteborgs Symfoniker
Neeme Järvi

DG
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2007年08月26日

ヤルヴィのニールセン#5,6

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第3交響曲がニールセンの「陽」とすれば、第5交響曲は「陰」、第6交響曲は「壊」。ダークサイドに堕ちたニールセンの2曲である。
なんだかあっちの世界に行ってしまったニールセンの音楽を聴いていると、世界の不安定性をふと思い起こしてしまう。

ヤルヴィの演奏は、そのダークサイドを暗く重く凶悪に表現しつくす。ヤルヴィの最も暗く重く素晴らしい演奏がショスタコーヴィチの14番「死者の歌」であるが、その名演を思い起こす。

ニールセンが5番を作曲したのが1922年、6番が1925年。交響曲の歴史はちょうど同時期に第1交響曲で天才を世界に示したショスタコーヴィチにそのまま引き継がれていく。


Carl Nielsen

Symphony No.5 FS97 (op.50)
1991.5

Symphony No.6 FS116 "Sinfonia semplice"
1992.3

Göteborgs Symfoniker
Neeme Järvi

DG
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2007年08月25日

ヤルヴィのニールセン#3,4

jarvi_nielsen3~4.JPG

私のニールセン受容は、3番「広がりの交響曲」から始まる。生演奏を聴いたのか、テレビで見ただけなのかどうしても思い出せないのだが、ブロムシュテットがN響を振ってこの曲を演奏したのを聴いたのだが、その演奏がとても素晴らしかったのだ。N響らしからぬ張りに満ちたブラスの音。この能天気な曲が脳天に直撃して、一気にこの曲を気に入ってしまった。
ソプラノとバリトンの独唱がなければもっと演奏機会があるだろうに、なんて思ったことを覚えている。
ヤルヴィとエーテボリの演奏は、残念ながらブロムシュテットのブリバリ感には及ばない。でも、良い演奏である。

さて、もっとも有名な「不滅」。名演は無数にあろうし、この演奏は分が悪かろう。と思いきや。充分な音圧、自然なテンポ変化、柔らかな歌、これらが三拍子揃った演奏というのは案外少ないかもしれない。演奏技量的に難しい曲であるから、上手いオケに有利な曲であることは間違いないが、なんでもできてしまうSクラスオケには曲への思い入れを感じさせる自然な歌は、それ相応の指揮者でないと逆に難しかったりするものなのだ。その点、エーテボリは曲への充分な愛情を表現している。
音圧だけを聴く人には物足りないかもしれないが、これは名演である。


Carl Nielsen

Symphony No.3 FS60 (op.27) "Sinfonia espansiva"
1991.8

Symphony No.4 FS76 (op.29) "The Inextinguishable"
1990.10

Göteborgs Symfoniker
Neeme Järvi

DG
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2007年08月22日

ヤルヴィのニールセン#1,2

jarvi_nielsen1~2.JPG jarvi_nielsen1~2_2.JPG

CDについて書くのはずいぶん久しぶりだ。なんせ暑くて暑くて、アンプの放熱がすごいので音楽を聴く気にもならなかったのだ。CDもほとんど買わなかったし。ようやく夜は少し涼しくなってきたので、最近また音楽を聴くようになった。

さて、ずいぶん前になかなか手に入らないCDのことを書いた(http://takmusik.seesaa.net/article/23615708.html)が、その中の1枚のヤルヴィのニールセンがようやく手に入った。
ヤフオクもめぼしいものが出てこないのでご無沙汰していたのだが、久々に見たらヤルヴィのショスタコーヴィチ歌曲集第1集とか、このニールセンとかめったに見ないものが出ていたのでまた最近チェックし始めたのだ。ニールセンは価格も2500円と手ごろで即決入札、無事落札。

演奏は、曲を鑑賞するには全く問題ない、ヤルヴィがよく評されるところの「手堅い」演奏である。隅から隅まできちんと作りこんである。曲の良さも悪さ(?)も包み隠さず表現する。
ただ、彼らが後に到達した魂を震撼させる「怖い音楽」を作るには至っていない。
ともあれ、これで交響曲全集は揃った。あとは管弦楽曲集。これもたまたまヤフオクに出品されている。

ところで、ジャケットを開いてびっくりしたのが、14歳のカール君が持った奇妙な楽器。右手の小脇に抱えるのは信号ラッパの類だとすぐ分かるが、左手のは何か?
バルブトロンボーン?だとしたらこんなのだ。http://www.gleblanc.com/instruments/query.php?model=TR690
バストランペット?最近のは普通のトランペットと変わらない。http://www.meinl-weston.com/basstrumpets.htm
ただ、2つの楽器のマウスピースがほとんど同じことから、バストランペットのぐるぐるをのばした楽器だと分かる。ニールセンの金管ブリブリ好きは少年時代の影響か?


Carl Nielsen

Symphony No.1 FS16 (op.7)
1992.9

Symphony No.2 FS29 (op.17)
1991.6

Göteborgs Symfoniker
Neeme Järvi

DG
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2007年06月10日

ヤルヴィのヴァルトビューネ

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2006年6月18日のヴァルトビューネ・コンサートは、ネーメ・ヤルヴィの初登場であった。
実はそのことを直前まで知らず、カルテットのレッスンを受けたベルリン・フィルのファースト・ヴァイオリンのローレンティウス・ディンカさんに聴いたのだ。打上げのときに私がなぜかヤルヴィの話を持ち出すと、ディンカさんが「ああ、彼はもうすぐベルリン・フィルを振りに来るよ。シェーラザードとかペールギュントとかやるんだ。私は乗らないけど」みたいなことを話されたのだった。
http://takmusik.seesaa.net/article/19325074.html
http://takmusik.seesaa.net/article/19325384.html
調べてみると確かにそう。ヴァルトビューネはNHKのBS-2で放送するのが通例だが、今回は見逃してしまったようで、受信できないBSハイビジョンでの放送しか確認できなかった。
そうこうしていると、HMVのサイトでDVDが発売されているのを発見。早速注文して、ようやく今日届いたのだった。

ちなみにこのヴァルトビューネの直後にヤルヴィは日本を訪れて、京都市響を振ったのだった。
http://takmusik.seesaa.net/article/20340630.html
http://takmusik.seesaa.net/article/20427285.html

さて、このコンサートであるが、ヤルヴィの指揮の印象は、当然と言うべきかどうか、京都市響に対する指示のあり方と全く同じで、音と完全一致の指揮、完璧なキュー、迷いのない読譜であった。
つまり、オケが上手かろうがどうだろうがやることは変わらない。そして結果も同じようにすばらしい。

まず語るべきは、オーケストラの指揮者への信頼であろう。迷いのない棒がオケに安心感を与え、「音楽する」ことに全神経を集中させることに成功している。どんなに錯綜する部分でも棒が迷わないからオケも崩れない。オケのメンバーもそこかしこでニコニコしながら弾いている。
そして、ヤルヴィの手、体、そして顔の表情が作りだす「物語」が、オケにだんだんと浸透していって、まるで「同じ夢を見ている」ような状態を作り出している。つまり、同じヴィジョンを持てているから同じ表情が出せる。とくに、グリーグにおけるオケの表情の変転の妙は見事であった。

このたびの公演はソリストたちもずば抜けている。
二人の歌手はそれぞれ、声の天分に恵まれているだけでなく、ヴィジョンを伝える力を持っている。歌う様を見ていると、ふと何か頭の中に景色がよぎるのだ。

そしてジャニーヌ・ヤンセン。歩いて出てくるときはその辺のモデル系ねーちゃんみたいだけど、ヴァイオリンを弾き始めたら、狐か蛇に取り憑かれたかのようにトランスしている。テクニックがしっかりしている中でなんとも濃い表情付けをする。だからインテンポなのに飽きない。重要なのが、オケとアンサンブルする意識を強く持っていること。オケとぴったりと合わせたい部分ではオケに向き合って、ヤルヴィと二人指揮者体制みたいになって可笑しい。
だから、トランス系なのに克明かつ精緻というありえない組み合わせが成り立っている。面白い!

そして再びヤルヴィについて。
プログラムの最後のシェーラザードでは、指揮者もオケも興奮しないのに客席だけ興奮しているというような仙人のような演奏を展開する。
アンコールには誰も聴いたことのないようなフチークのマーチとニールセンの怪しい曲で客席を大いに沸かす。知らない曲を、純粋に音楽の力だけで聴かせるのだ。

このDVDのライナーノートに書かれたヤルヴィの現在のポストは、以下の通り。
・ハーグ・レジデンティ・オーケストラの首席指揮者
・ニュージャージー交響楽団の音楽監督
・デトロイト交響楽団の名誉指揮者
・エーテボリ交響楽団の名誉指揮者
・日本フィルの首席客演指揮者
・ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の桂冠指揮者
ニュージャージーの市民がうらやましい。でも、もっともっとふさわしい活躍の場があるような気がするのだが。


Waldbühne
An Oriental Night

Neeme Järvi
Berliner Philharmoniker

Wolfgang Amadeus Mozart
Die Entführung aus dem Serail, Overture

Carl Nielsen
Oriental Festive March from Aladdin, op.34

Nikolai Rimsky-Korsakov
Sheherazade op.35
I, II

Edvard Grieg
Anitra's Dance from Peer Gynt Suite No.1, op.46
Solveig's Song from Peer Gynt Suite No.2, op.55
Marita Solberg, soprano
Arabian Dance from Peer Gynt Suite No.2, op.55
Ingebjorg Kosmo, mezzo-soprano

Jules Massenet
Meditation from Thaïs
Janine Jansen, violin

Camille Saint-Saëns
Introduction et Rond capriccioso op.28

Nikolai Rimsky-Korsakov
Sheherazade op.35
III, IV

Jurius Fučik
Florentiner Marsch op.214

Carl Nielsen
Negro Dance from Aladdin, op.34

Paul Lincke
Berliner Luft from Frau Luna

2006.6.18, Waldbühne, Berlin
EuroArts
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2554909
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2007年03月27日

ヤルヴィ/ブラームス/シェーンベルク

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ブラームスのピアノ四重奏曲第1番シェーンベルク編曲版の、Inoue collection(笑)第2弾。
マイ・フェイヴァリット・コンダクターのネーメ・ヤルヴィとロンドン交響楽団である。
幸か不幸か、私がこの曲を聴いたのはこのCDが多分最初なんだが(大学生の頃)、今日聴いたような感想は持てなかった。。

なんだこの汗臭さは。
ロンドン・シンフォニーは、スマートでクールで無味無臭のヴィルトゥオーゾ集団のはずだ。汗の匂いなんかするはずがない。
ところが、この演奏に漂うのは濃厚な臭さ。くっさいチーズみたいな。実はヤルヴィのブラームスの交響曲全集も全くこんな演奏なのだ。全然ブラームスらしくないしロンドン・シンフォニーらしくない。
いったいどうやったらこうなってしまうのか。おそらく意図的にまともにアンサンブルできないような揺さぶりを指揮者が掛けているんだと思う。
さらに、遅めのテンポに、弦は歌いまくり、金管はギンギンに鳴らし、アンサンブルは微妙にずらし(というか勝手にずれてしまい)、どこを取ってもアンサンブルがあってないのに、全体としては恐ろしく巨大でギラギラ(ヌラヌラ?)としたある種の統一感のある音楽になっている。非ドイツ語圏の音楽、特にスラヴ系の音楽にしか聴こえない。
一言で言えば「下品」。こんな演奏をライブで聴いたりしたらもうずうっと笑いが止まらずたいへんなことになってしまう。

というわけで、ピアノ・カルテットのシェーンベルク編曲版の演奏としては、「マニア専用」認定である。よい子は手を出しちゃいけません。

一転してカップリングのエドムンド・ラッブラ編曲のヘンデル・ヴァリエーションは、編曲が典雅なこともあって、まことに優雅でかわいらしい演奏だ。正確に言えば「ヤルヴィは何もなっていない」。だからオケの演奏のまま。それはそれで正解かもしれない。
しかも、イギリスで活躍した「ジョージ・フレデリック・ヘンデル」のメロディを使った曲を、イギリスの作曲家が編曲し、イギリスのオーケストラが演奏する。正しすぎる組み合わせではないか。
なのに、最後のフーガの盛り上がりはやっぱりギンギン。面白い。

ちなみに、無作為に選ばれたように見えるこの2曲、原曲の作品番号は隣同士なんである。めちゃめちゃコンセプチュアルな1枚。


Neeme Järvi
London Symphony Orchestra

Johannes Brahms

Piano Quartet in G minor, op.25
orchestrated by Arnold Schönberg
1988.7.11-13, St. Jude-on-the-Hill, London

Variations and Fugue on a theme by Handel, op.24
orchestrated by Edmund Rubbra
1989.10.13, St. Jude-on-the-Hill, London
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2007年01月11日

ヤルヴィのシベリウス(DG 管弦楽曲集)

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ヤルヴィはBIS時代にも同じエーテボリ交響楽団と膨大なシベリウスの作品群を録音しているが、DGに移ってからも地道な仕事をしていて、主要な管弦楽曲を1990年代半ばに、交響曲全集をその10年後ぐらいに再録音した。
管弦楽曲集は合計3枚になるわけだが、その3枚がユニバーサルの廉価盤シリーズ"Trio"で出て、ふと気がつくと単売ものが手に入らなくなってしまった。
当初私は第2巻しか持っていなくて、1年くらい前にバークシャー・アウトレットで第3巻を(ドリル穴あり)、そしてようやく先ごろ第1巻をヤフーオークションで入手し、無事セットが揃った。

3枚を聴きとおした感想は、ばらつきなく見事な水準の高さで演奏の質が整っていること。そして、音楽の物語性。

演奏の水準については、下の曲目リストを見れば分かるとおり、1枚ずつ録音時期が違うのではなく、録音がすべて済んでから3枚に演奏を配分しているため。
エーテボリは決して名人ぞろいではない(クラリネットだけはめちゃうま)が、ヤルヴィの手にかかれば音の厚みとアンサンブルの精妙さが見事に引き出される。

音楽の物語性については、シベリウスがほとんどすべての曲に付与したストーリーをヤルヴィが丁寧に掘り起こし、それを完全になぞったような音楽作りをしているということ。
音楽がすべて言葉として聴こえてくるような気がするほど、ドラマティックである。これだけのドラマの表出がどれだけの指揮者に可能であろうか。

よくよく考えれば、エストニア出身のヤルヴィもスウェーデン人がほとんどであろうエーテボリ響も、フィンランド人であるシベリウスは母国人ではないわけだが、10数年にわたる共同作業の中で彼らのコンビがシベリウスの音楽の「肝」をつかむことができたのだろう。

ここの曲では、まず、アンダンテ・フェスティーボが好きだ。この演奏に惚れて今度のうちのオケの演奏会にこの曲を選んだほど。美しく、熱い。
さらに、レンミンカイネン組曲とタピオラ。この2曲は、ラフマニノフの交響的舞曲と同じように、交響曲全集には必ずいっしょに収録するように義務付けしてはどうか、レンミンカイネン組曲は交響曲第0番として、タピオラは8番として、なんて妄言を吐かせるほど素晴らしい演奏であり、素晴らしい曲だ。
そしてポヒョラの娘。BISの旧録音も素晴らしいが、さらに涙腺を緩ませるような温かみに満ちた音楽だ。

もちろんDGではシベリウスの管弦楽曲をこれだけ網羅したセットは他にないし、彼らのコンビによる交響曲全集も単独の指揮者とオケによるものとしてはDG唯一である(カラヤンとオッコ・カムが振り分けたものはある)。ぜひ長らくカタログにとどめていただきたいものだ。

ちなみに、いまや"Trio"シリーズのチープな装丁でしか手に入らなくなったこのCD、オリジナルの単売もののジャケットは、第1巻がJan Rieckhoffという人のイラスト(写真のコラージュ)、第2巻が、フィンランドの画家Akseli Gallen-Kallelaが1897年(作曲と同時期)に制作した「レンミンカイネンの母」という絵、第3巻がSally Mayman(オーストラリアの人らしい)撮影の写真という、かなり凝ったものである。廉価盤化でこういった「作品」が失せてしまうのはもったいないと思う。


Neeme Järvi
Göteborgs Symfoniker

Jean Sibelius

-- 447 760-2 --
Karelia Suite op.11 (1992.12 rec.)
Luonnotar op.70 (1992.12)
soprano: Soile Isokoski
Andante festivo (1994.5)
The Oceanides op.73 (1995.8)
King Christian II op.27 (1995.8)
Finlandia op.26 (1992.9)

-- 453 426-2 --
Pohjola's Daughter op.49 (1994.3)
Night Ride and Sunrise op.55 (1995.8)
Four Legends from Kalevala (Lemminkäinen Suite) op.22 (1996.4-5)

-- 457 654-2 --
En Saga op.9 (1992.12)
Spring Song op.16 (1994.5)
Four excerpts from the incidental music to "Kuolema" (1995.5)
1. Valse triste op.44 No.1
2. Scene with Cranes op.44 No.2
3. Canzonetta op.62a
4. Valse romantique op.62b
The Bard op.64 (1994.5)
Tapiola op.112 (1995.8)
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2006年09月04日

ヤルヴィのマーラーの3番

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ヤルヴィのマーラーはすでに5番と6番を持っていて、どちらもそれになりに面白い演奏だった。さすがに3番は難しいんじゃないかと思って恐る恐る手を出してみたらさにあらず。細部まで気が漲っている。

ドラマに満ちた1楽章。懇切丁寧に音楽の起伏を説明していく。そのドラマのひだはテンシュテットやベルティーニほど深くはないが、面白いことは間違いない。
2,3楽章もそつなく聴かせる演奏。3楽章にあるクラリネットのハイトーンを極端に強調することなんかがちょっと普通と違うが、あとは普通に聴ける。というか、3楽章は本当は案外難しい曲だと思うんだが、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラがあまりにも上手すぎて(本当に上手いんです)、全然難しく聴こえない。こんな曲だっけ。
4楽章。リンダ・フィニーの歌唱も素晴らしく、オケも細かな音楽のひだを逐一「音楽的」に表現し、美しい演奏に終始する。
5楽章は、どんな演奏で聴いてもさわやかなのだが、ヤルヴィはくどい!テンポが遅い!テンポが遅くても曲が成り立っている。まるで違う曲を聴くように感じさせるが、このテンポでしか表現できない世界があるのも確かだ。リンダ・フィニーも申し分なし。
6楽章は見事な弱音のコントロール。ピアニッシモで歌っている。最後らへんはロシア吹きも混じりつつ、不思議な世界が構築される。神々しくかつ雄々しい。

亡き子も案外悪くない。オケ伴奏歌曲のオケはもともとスカスカだから大変なんだが、オケが上手いし歌もいい。我が家には他にクナッパーツブッシュの演奏(BPO, 56.4.9, HUNT)しかないが、同じくらいいい(それは言いすぎか)。

ヤルヴィにとって3番は本当にお気に入りの曲なんだろう。すべての小節、すべての拍に演奏する喜びが感じられる。
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2006年08月26日

ヤルヴィのブルックナー

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「ヤルヴィのブルックナー?そんなものに存在価値があるのか?」
普通のクラシック・マニアならそう考えるはずである。ヤルヴィはスラヴもの専門じゃないの、と。

実はこのCDを買うとき、演奏時間の長さだけで買ったのだった。大学1年生の時。
すなわち、第1楽章16:50、第2楽章15:16、第3楽章28:12、第4楽章23:51。名盤であるジュリーニ/WPh(DG)のテンポに似ているじゃないか、と。

聴けば、当時の若い私の耳にはとても満足できる演奏だった。

さて、すっかり肥えた今の耳にこの演奏は満足できるのか、と思って本当に久々に取り出して聴いてみた。
あれまあ、なんと充実した演奏!

かなり遅いテンポだが、一切緊張が途切れない。尋常でないテンションの高さ。かつ、ブルックナーにふさわしいやわらかい響き。これには、シャンドス特有のエコーがんがんの録音と教会の残響が効いているかもしれない。
すべてのパッセージでオーケストラのプレーヤーは大いなる自発性でもってあらん限りの能力で演奏している。もちろん指揮者がコントロールできてないわけではない。テンポを完璧にコントロールした上でのオーケストラの自発性。なぜこんなことが可能になったのだろうか。

ヒントは当時の音楽監督にあるのではなかろうか。そう、クラウス・テンシュテットである。
テンシュテットは1983年に癌を発病し、治療を続けながら、継続的に録音を続けていたマーラーの交響曲の最後に残った8番を86年の10月に録り終えている。
また、この録音は、以前のエントリーで書いたとおり、テンシュテットの代役で振った曲であるし、テンシュテットと82年に録音している。オーケストラとしては、ヤルヴィの棒を通して愛するテンシュテットを思い浮かべていたのではなかろうか。自然と演奏に力が漲るわけである。

そうはいいながら、おそらくテンシュテットのレパートリーではない(まだ録音はCDで聴けない)マックス・レーガーまでも充実した演奏であるところを見ると、純粋にヤルヴィの能力を賞賛すべきなのかもしれない。


このCD、すでに円周部分のアルミ膜がはがれてきている。もう1セット予備に買うべきかなあ(←オタクの発想)。

なお、ヤルヴィは最近デトロイト交響楽団でブルックナーの7番を演奏している。秘密の音源でこれを聴くことができたが、うーん、これはブルックナーじゃないなあ。


Neeme Järvi
The London Philharmonic

Anton Bruckner
Symphonie Nr.8 in c-moll (edition Robert Haas)
Max Reger
Variationen und Fuge über ein Thema von Beethoven

CHANDOS, 1986.11.17-19, All Saints Church, London
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2006年08月25日

6人の我が祖国

6mavlast.JPG

DREAMLIFEのDVD、我が祖国のドキュメンタリーと、プラハの春音楽祭の公演から抜粋して、6人の指揮者が6つの交響詩を演奏する我が祖国全曲。

ドキュメンタリーは貴重な映像が多く、特にヴァーツラフ・ターリヒがスラブ舞曲を指揮する映像とスメターチェクの指揮にはしびれた。

我が祖国の振り分けは以下の通り。
1.ヴィシェフラド カレル・アンチェル/チェコ・フィル 1968
2.モルダウ ヴァーツラフ・ノイマン/チェコフィル 1981
3.シャールカ リボル・ペシェク/チェコ・フィル 1995
4.ボヘミアの牧場と草原より サー・チャールズ・マッケラス/チェコ・フィル 1999
5.ターボル ネーメ・ヤルヴィ/プラハ交響楽団 1994
6.ブラニーク ラファエル・クーベリック/チェコ・フィル 1990

それぞれの楽章の前に音楽学者イルジー・ピルカ博士が指揮者の紹介をする。
アンチェルは、ついこの間書いたCDと同じソースだろう。指揮姿がとにかく高貴で、その高貴さがそのまま音に現れている。厳格な合奏を強いていることから新即物主義の指揮者と言われがちだが、指揮姿を見ればロマンに満ちている。暗譜。
ノイマンは、ピルカ博士は優雅な指揮と紹介するが、どうみても「こってり」だ。ノイマンの演奏をずいぶん久しぶりに聴いたが、昔抱いたイメージと寸分変わらず「こってり」だった。でもいい演奏。暗譜。
ペシェクは、非常に精緻な演奏で、ロマンにも事欠かない。ドキュメンタリー全体でも重要な役目を受け持っている。もっと世界的に活躍してもいいのになあ。暗譜。
マッケラスは、以前BSで放送されたものと同じソースだろう。いつも変わらず爽やかな叙情。
ヤルヴィは、ピルカ博士の紹介がかなりおざなりで面白い。一見するとかなりやる気なさそうな指揮(笑)なのにオケはやる気満々。このギャップが面白い。いつものごとく本当に丁寧な「語る」演奏。何もしてないようなのにきちんと心にしみる。この演奏のみプラハ交響楽団で、これだけ聴くといいオケだと思うが、次のブラニークが続けて鳴ると、ああやっぱりチェコ・フィルは凄いね、と思ってしまう。
クーベリックは、横綱相撲。さすが最後に持ってくるだけある。ひとつひとつの楽節の魅力をもっともっと掘り起こし、もっともっとジューシーに演奏させる指揮ぶり。暗譜。
というわけで、チェコの指揮者は全員暗譜。完全に楽譜が体と一体化しているのだろう。

ちなみに指揮者の演奏時の年齢は、アンチェル60歳、ノイマン60歳、ペシェク61歳、マッケラス73歳、ヤルヴィ56歳、クーベリック75歳。ヤルヴィの若さにびっくり。
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2006年08月18日

ヤルヴィの小ロシア

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チャイコフスキーの交響曲第2番という曲は、たぶんジュリーニのお気に入りだと思う(正規録音と海賊盤あり)し、そのほかにもお気に入りの指揮者はけっこういるのではないか。私はコンサートではアントルモン指揮のN響の演奏を聴いたことがある。
お気に入りのゆえんはたぶん、その単純明快なサウンドではないかと思う。1楽章と4楽章が非常に活気あるパリッとした音楽なので、さまになりやすいから。

ヤルヴィの演奏は、あんまり単純明快ではない。音楽に一切のあいまいさはないにもかかわらず、分かりやすいわけではない。普通の人なら「もっさり」と表現すること間違いない。しかし、もちろん、問題があってもっさりしているわけではないし、もっさりを狙っているのでもない。

おそらく「炸裂」ではなく「朗々」を意図したのではなかろうか。すべての楽節が、歌またはお喋りから構成されている。丁寧に語られる音楽。それは静かな興奮を覚える気持ちのよい音楽である。その最大の功績は、第4楽章第2主題のさわやかな歌い口。

また、この演奏では、この曲の4番との近似性が強く感じられる。別に強く強調しているのではないが、部分部分のキャラクターにマッチした演奏スタイルを徹底することが自然にその楽想の近似性を強調するのだろう。

そのほかの管弦楽曲はマスターピースとは言いにくい曲が並ぶ。演奏はあくまで丁寧。「嵐」だけは異常に熱のこもった演奏だ。


Neeme Järvi
Gothenburg Symphony Orchestra

Pyotr Ilyich Tchaikovsky
Symphony No.2 in C minor, op.17, "Little Russian" (1879 version)
Overture in F major (1866 version)
Festive Overture on the Danish National Anthem in D minor, op.15 (1892 version)
The Storm, Overture, op.76 (1864)
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2006年07月22日

ヤルヴィの間奏曲集

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23日はいよいよ米子管弦楽団のサマーコンサートに出演。
いつもコンサートの後半が有名歌手のオーケストラ伴奏で、これまでにも太田裕美、タケカワユキヒデ、アグネス・チャンなどと共演できた。
今回は中島啓江さん。「星に願いを」とか「アメイジンググレイス」とかだが、ジャジーな編曲らしくて、音程もリズムも難しい。

前半はクラシックの名曲なのだが、今回の私的新曲はトランペット吹きの休日、そりすべり、時の踊り。アンダーソンもリズムがとても難しい。

さて、時の踊り。ちゃんとCDは持っているし、有名な部分はよく知っている、つもりだった。
チェロのパート譜を見るとさっぱり音楽が思い浮かばない。パートソロがいっぱいあって、これまたリズムが難しくて、譜読みにめちゃくちゃ時間がかかった。

この曲、持っているCDはヤルヴィの「間奏曲集」。
この手のコンピレーションで有名なのはカラヤンの録音で、EMIにフィルハーモニアと50年代に、DGにベルリン・フィルと60年代に似たような組み合わせで録音している。カラヤン亡き後にデジタル録音でこういう曲をすぐに演奏できる指揮者はヤルヴィを措いて他になかっただろう。

下に曲名を書いておくが、そういえばこのCD、フランツ・シュミットの「ノートル・ダム」間奏曲が目的で買ったのだった。
交響曲の2番と4番をすでに聴き、他になんかないかと思って買ったのだ。名曲!
ちなみにカラヤンの録音にもノートル・ダムは入っていて、フィルハーモニアの方は少し抜粋が長いようだ。他の曲は作曲家ともども有名だと思うが、フランツ・シュミットだけは日本ではなじみがないはずだ。この曲はヨーロッパでは有名なんだろうか。
「ウィーンじゃあ合唱団はみんな『7つの封印を有する書』なんて曲をよく知っててすぐ演奏できるらしくて、ムーティがキャンセルでホルスト・シュタインが代役のときにこの曲に変更になったのを聴いたことがあるよ」なんて話も聞いたことがあるが。

明日の予習のために久しぶりにCDを引っ張り出して聴いたのだが、ヤルヴィはここでも丁寧な演奏をしている。
録音の響きが美しくて、ソロの音がとてもきれいだ。曲が曲だけに強烈な音が炸裂するような場面はないし、歌いまくりというわけではなので、分かりやすい演奏というのではない。
でも、なんとも品が良くて、リラックスするためにはちょうど良いCDである。

このCDは今でも形を変えて国内盤でも生き長らえているが、初発はどうもこのミッドプライスの"3D CLASSICS"シリーズと思われる。
いきなり新録音が廉価版で出るなんて、マッケラスとそっくりだ。


カヴァレリア・ルスティカーナ(マスカーニ)
アドリアーナ・ルクヴルール(チレア)
マノン・レスコー(プッチーニ)
道化師(レオンカヴァルロ)
タイス(マスネ)
マドンナの宝石(ヴォルフ=フェラーリ)
トラヴィアータ(ヴェルディ)
ノートル・ダム(フランツ・シュミット)
ホヴァンシチナ(ムソルグスキー/リムスキー=コルサコフ)
修道女アンジェリカ(プッチーニ)
フェドーラ(ジョルダーノ)
友人フリッツ(マスカーニ)
ホフマン物語(オッフェンバック)
ジョコンダ(ポンキエルリ)

Neeme Järvi
Göteborgs Symphoniker
DG, 1989.6 & 9
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2006年07月21日

ヤルヴィの"AURORA"

jarvi_aurora.JPG

ネーメ・ヤルヴィがエーテボリ交響楽団を指揮した、いわば「北欧癒し系コンピレーション」。
music of the northern lights という副題の"AURORA"なるアルバムが2003年に出ていたのを知ったのは今年になってから、というのは自称ヤルヴィ・マニアの名折れである。
輸入盤も国内盤もある。輸入盤をWEBのHMVに注文してたら、ずうっと入ってこなくて、どうしたもんかなあと思っていたころに、職場の組合の関係で岩国に行ったときに帰りに広島に寄って、HMVとタワーを回って何の収穫もなく、がっかりしてなんとなく広島駅の隣(めちゃめちゃ場末である)のブックオフっぽい店に入って見つけたのがこれ(国内盤)。
注文してるのは輸入盤だし、と思って買ったら、輸入盤は廃盤。ぎりぎりセーフという感じであった。

基本は、1986〜1996年にヤルヴィがDGに録音してきたグリーグやらシベリウスやらのさまざまな北欧ものから、耳に優しい曲を集めたものだが、一部2002年の新録音がある。
それがこれ。

ハルヴォルセン作曲 ロシアの貴族の入場行進曲
ヤルネフェルト作曲 子守歌
ウィレーン作曲 行進曲
ラーション作曲 ロマンス
ラウタヴァーラ作曲 沼地
ステンハンマル作曲 カンタータ《歌》〜間奏曲
ルンビュエ作曲 コペンハーゲン蒸気鉄道ギャロップ

いやはやマニアック。選曲がプロデューサーによるものかヤルヴィによるものかは分からないが、面白い曲ばかり。
ヤルネフェルトとルンビュエという作曲家は知らなかったが、他の作曲家は名前は知っていてもほとんど聴いたことのない人ばかり。

有名なのはウィレーンの行進曲(セレナードの4楽章)だろうか。「ポーケットーのーなーかーにーはービスケットーがーひーとーつー」というやつだ。

演奏としてはやはりこの2002年の一連のものが抜きん出ている。全体に非常に丁寧な演奏だが、2002年のものは、それに加えてなんというか、音がはじけている。指揮者とオケが音楽というおもちゃでたわむれている。
20年にわたる彼らの関係がマンネリに陥らず、年を追うごとに深化を感じさせるのはほんとうに驚くべきことだ。
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