2013年03月10日

フランス映画「遥かな町へ」の原作は鳥取県が舞台です

QuartierLointain.jpg
久々にフランス映画的フランス映画を見た。
日本が誇る鳥取出身の漫画家、谷口ジロー氏による「遥かな町へ」をもとに、普通にフランスでフランス映画として同名で制作された作品。
このたび鳥取市の事業として、日本語字幕版が日本で制作されたもの。

原作の骨格や仕掛けをほとんどそのまま使いながら、いかにもフランス的な(って言っても行ったことないので知らんけど)「生活」に置き換え、フランス映画らしく「心の奥のむずがゆいところをコリコリかいてくれる」ところは、原作以上の気持ちよさ。なお、フランス的エロスやフランス的下ネタも欠かしていない(笑)。
何よりも美しいのは、1967年のフランスの田舎町の姿を、生きた形で再現したところ。ヨーロッパだから町並みはほとんど変わらないのだが、着ている服、通りを走る車(フォード・アングリアとか)、自転車、バイク、ショーウィンドウの雑貨、お札、ツール・ド・フランスのテレビニュース、サッカーのラジオ中継(!)、さらには当時の鉄道など、よくぞここまで再現したものである。映画としては全くごてごてした作り物っぽいところがないが、これは十分お金がかかっていそう。フランスにはレトロモビルに代表されるちょっと古い車を動態保存する趣味が根付いているので、車に関しては比較的楽に調達できたかもしれないが。車好きを自認しているつもりだったが、案外パッと見て分かる車が少なかったなあ(←イタ車しか知らんもんな)。
そして、俳優たちの見せる表情が、漫画よりもむしろ言葉少なくいろんなことを物語る。若返った主人公は若い俳優が演じるが、いかにも「おじさん」のような表情をするし、また「おじさん」に戻った主人公は、まるで自分自身が若返って楽しんだのを惜しむような表情をする。

なお、この田舎町のロケ地は、フランスのスイス近く、ナンテュア(Nantua)という人口4,000人に満たない村(コミューン)のようである。原作の舞台の倉吉より美しそう(笑)。
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2009年12月23日

のだめ映画見た

腹を抱えて笑いながら見ました。のだめの映画前編。
マンガのプロットをうまく抜粋して、コンパクトにまとめられてました。ちゃんと後編が見たくなるようにミステリアスに終わるし。

見ながらずっと気になったのが、ここで演奏されているサウンドトラックの演奏というのは、批評すべき対象なんだろうかということ。特にのだめの試験演奏は、本当に「トレビアン」なんだろうかどうだろか、とか。

まあ、批評とか正確さとかそういうのを抜きにして、腹を抱えて笑うのが正解な映画でしょう。面白かったです。

それに輪をかけて面白かったのは、映画を見る前にごはんを食べた串揚げの店で、頼んだ品が全部出て、全部食べ終わって会計を済ませたタイミングが、ちょうど映画の始まる直前だったこと。映画よりドキドキしました。
タグ:日記
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2008年12月19日

おくりびとを見た

映画「おくりびと」を見てきました。
モックンがチェロを弾くということで話題(だっけ?)の作品。
当然ながら音はアテレコでしたが、その奏者はなんと柏木広樹さん。ワタクシ、同じプルトで弾いたことがあります(自慢)。
ちなみに、劇伴音楽のチェロはまた別の人で、なんだか古川展生の音みたいだなあと思いながら聴いてたら、そのとおりで、ちとびっくり。
さらにちなみに、東京のオケに入ってすぐオケが解散してしまって実家の山形に帰るモックンですが、そのオケのシーンで演奏しているのが山形交響楽団というのはちょっと面白いです。
モックンのチェロ演奏シーンは、「よくがんばった」とだけ言っておきましょう。

ストーリーを事細かに話すつもりはありませんが、要点は、納棺師という職業、というよりは役割の崇高さ、美しさが、登場人物の心にしみていくと同時に映画を見ている観客の心に沁みていく、そのシンクロ具合の見事さ。これは脚本の力。
父方・母方の祖父母など数々の葬儀に参加して、さまざまな涙を経験した私には、やはり涙を禁じえない別れのシーンで、さまざまな人間ドラマにすっと幕を引く役目であることを再確認した次第。これは山ア努氏、本木雅弘氏の力。

Wikipediaによれば、原作本を読んだモックンが、滝田洋二郎監督に映画化を進言したとのこと。グッジョブです。

同行人も私も「ポニョより短く感じるくらいいい映画」という感想で一致しました。

ちょうど私たちが見に行った12月18日、日本アカデミー賞のノミネートがあって、最多の13部門の優秀賞を得たそうです。
http://www.okuribito.jp/blog/official/article/53
タグ:映画
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2008年09月08日

ポニョを見た

今さらながら「崖の上のポニョ」を劇場で見ました。おっさん一人で見に行くのは相当勇気が必要でしたが、鳥取の平日の夕方の映画館はがらがらで、何の心配も要りませんでした。

これはすごいですね。私はそれほど熱心な宮崎駿ファンではなく、劇場で見たのは「ラピュタ」と「もののけ姫」だけですが、「カリオストロの城」「未来少年コナン」「ナウシカ」「トトロ」はテレビやビデオで何度も見てます。その中でも映像的には屈指のできではないでしょうか。
まず驚くのが、絵としての美しさ。抽象と具象の使い分け。動く絵本のような芸術性です。そして、スピード感。スピード感はこれまでの作品でもいつも味わいましたが、これはすごいですねえ。車の走る音も相当リアルです。マニュアルの軽自動車をきちんとがんばって走らせた音がしています。
久石譲氏の音楽も素晴らしいですね。映像を邪魔せず、映像との相乗効果で場面を彩る音楽は、これまで見た作品よりもいい意味で「映画音楽」的でした。

全体的に「ナウシカ」のパラフレーズのような作品であることは、現実にありそうな町が舞台であることを考えるとある意味天才的です。「荒唐無稽」と「現実的」の奇妙な同居が、あくまでも自然に見えるのがすごい。と言うか、奇妙な出来事を自然に受け入れてしまう登場人物が自然体に見えるのがすごい。だから、「何で水の中にいて息ができるの?」とか真剣に考えちゃいけないんですね。

疑問がまずひとつ。ポニョの本名が「ブリュンヒルデ」で、ポニョが魚に乗ってかっとんで行くシーンでワルキューレの騎行(へのオマージュ)が鳴り響く、っていうのは何なんでしょうか。私には軽ーい思い付きのように見えるんですが、深読みすべき要素があるんでしょうか。軽ーい思いつきで十分面白いんですが。

もう一つ、結局これはどういうお話だったんでしょうか。「ナウシカ」と同じ「環境を大切にね」という教訓を導くというのはどうもしっくり来ない。そもそもそういう文脈だとお話がきちんと閉じていないように見える。最後のポニョのお母さんとそうすけの会話がすべてだとすれば「あらゆるものを愛すべし」「愛するものを守るべし」みたいなことなのかな。それだけ?なんて思ってしまいそうになるけど、今の世の中、そういう考え方自体が貴重なものなんですよね。我慢できず、何かと傷つけあう世の中になってしまいました。
きちんと映像にすれば3時間を越えそうな濃いお話を、1時間40分強の尺に収めつつ「愛」を印象に残すために、あえて薄く仕上げた?もう少し濃くてもよかったなあと、大人は思うのです。
タグ:日記
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2007年11月18日

映画の喜び

とっとり議場シネマで「ゆれる」を見た。昨日に続いて今日も人生観が変わった1日であった。

それに先立ち、12時から鳥取駅構内で、鳥取県総合芸術文化祭の東部イベントのPRのミニコンサートに参加。行動力のある委員さんたちが率先していろいろやっていただける。そんなに多くのお客さんがあったわけではないが、用意した500部のパンフはほとんどはけたし、最後らへんはけっこう多くの人が立ち止まって聴いていた。やっぱりやってみるもんだ。
明日は北ジャスでありますのでよろしければどうぞ。12時半だったかな?

映画のあとは夜に第九の練習。昨日のコンサートのおかげか、頭が覚醒していて妙に集中力があって、いろんな人のいろんな音や音を出す心持ちが手に取るように分かる思いがした。かといって自分が上手く弾けているわけではないのだが。なかなかアンサンブルが揃わないのは、めざす目標が違う(あるいは目標がない)からなのだ。江上先生の素晴らしい指導よりももっと次元の低いところでの意思の統一をしたほうがいいのかもしれない。

さて映画のこと。
http://www.yureru.com/top.html
面白い!見ていて何度その着想や構成に心を打たれたことか。これからこの映画を見る方もおられるかもしれないから、ストーリーには触れないが、思ったことだけを箇条書きで。

・人はいろんなペルソナをかぶって生活している。たいていは善人としてのペルソナで、日常を平穏に過ごせるためにかぶっている。
・善人としてのペルソナがはがれるくらいの激しい情動も人生の中にはあるのかもしれない。だが、そんな情動を避けるためにペルソナをかぶっているはずなのだ。
・善人のペルソナをはがしたあとは悪人のペルソナをかぶる。
・軽はずみな行為はたくさんの人の人生を狂わせる(こともある)。
・「かまをかける」のは邪悪な心の人が行うことだ。いや、邪悪が悪いわけではないが。
・自分の本心は見抜かれているかもしれないし、勘違いされているかもしれない。だからこそ本心なんて出さない方がいいのかもしれない。

そう、人は簡単に日常から逸脱してしまう「可能性」があるが、その可能性を封じ込め、激しい情動を発散させる代替行為としてこういう映画を見るのだ。そういう映画として最適の映画である。
とっとり議場シネマは18日もあります。午後は多分満席だけど午前ならまだ行けるかも。

とっとり議場シネマ
【場所】鳥取市鹿野町総合支所3階旧議場
http://map.yahoo.co.jp/pl?lat=35.27.41.605&lon=134.3.45.788&sc=5&mode=map&type=scroll
JR浜村駅から会場まで無料送迎があります。(11月16日までに予約が必要)

【上映内容】        
11時〜「運命じゃない人」上映
監督 内田けんじ 
出演 中村靖日、霧島れいか
http://www.pia.co.jp/pff/unmei/

14時〜「ゆれる」上映
監督 西川美和  
出演 オダギリジョー、香川照之
http://www.yureru.com/
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2007年03月03日

浜野監督を囲む会

mixiが縁で、来鳥された浜野佐知監督を囲む会に参加させていただいた。
そう、あの尾崎翠の「こほろぎ嬢」を映画化した監督である。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=244750649&owner_id=4603120
http://takmusik.seesaa.net/category/2068051-1.html

浜野監督と、脚本の山崎邦紀さんと、鳥取のメンバーが6人。うち2人はすでに存じていた方だった。

実は行く前はもうドキドキで、いったいどんな人が来られるのか、初対面で話ができるものか、最近映画も見てないしなあ、しかも開始時間から1時間半も遅れてしまって話についていけるだろうか、もう不安で不安で仕方なかった。
ところが、何とまあ皆さんいい方たちばかりだこと。なんとなくいつの間にか話の輪に入らせてもらっていた。

途中からは仁風閣のことでじっくりと談義。いろいろ思うところがあったことも、こうして顔を合わせて話すことで解決していく。ネット社会でも、いやだからむしろ顔を合わせることが大事である。

それもこれも、mixiで映画の感想を書いたことがきっかけである。ちゃんとソーシャル・ネットワークの機能を果たしてますね。
タグ:日記
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2006年10月16日

「こほろぎ嬢」

kohorogijo.JPG

尾崎翠原作、浜野佐知監督の映画である。

傑作!

この映画には二つの側面がある。

側面その1
映画「こほろぎ嬢」は、100年早く生まれすぎた鬼才(と言っていいのか?)尾崎翠の小説「歩行」「地下室アントンの一夜」「こほろぎ嬢」をいささか居心地悪くつなげた作品である。
複数の小説を1本の映画にまとめたものと言えば、レイモンド・カーヴァー原作、ロバート・アルトマン監督の「ショートカッツ」を思い出す。あれは登場人物が本来共通しないのでやはり居心地の悪い作品なのだが、こちらは、どうも登場人物に共通性があるのにもかかわらず居心地が悪い。
居心地の悪さは狙ったもののようだ。原作はもっとそれぞれ関連性も深く、完結感もある。
そもそも誰にでも分かる作品ではない。
クシシュトフ・キェシロフスキとか、アンドレイ・タルコフスキーとか、テオ・アンゲロプロスとか、ビクトル・エリセとか、そういう監督の作品を一度でも見たことがなければ相当戸惑うのではなかろうか。
キェシロフスキ・ファンの私にはとても興味深い作品だった。おそらく尾崎翠の作品内の文章をほとんど脚本に生かしているのだろうが、そもそもの象徴主義的映像を象徴主義的文章に上手くマッチさせている。
また、非常にシリアスな会話であり映像であるのにコメディのように笑いがこみ上げてくる。
ちょっと変わった人たちがちょっと変わった会話ばかりしているのだが、その言葉のひとつひとつがずいぶん独創的に世界の断面を切り開いて見せつけている。それが見る人のもやもやとした心を開き、涼風にさらしてくれるような爽やかさがある。

側面その2
これは、鳥取県とか鳥取県民とかが大いに協力して成立した作品である。
ロケはすべて鳥取県内。建物内の撮影も、県内の建物に小道具とかを持ち込んで撮っているようだ。
尾崎翠が過ごした100年前の時代設定なのに、映像を見ているとほとんど現代を連想させるものは写らない。ドアップが多いとはいえ、鳥取もたいしたもんだ。
ただし、映画では環境音を全く録らず、ほぼすべてアテレコと効果音かなんかで音を入れている。これは、動物学実験室の玄関のシーンは旧国道29号に面していて車の音が入るし、仁風閣の昼の撮影では必ず隣の鳥取西高の吹奏楽の練習の音が入るからだ。
それはともかく、この映画の撮影に使われた場所をめぐる「こほろぎ嬢ロケ地ツアー」なんてやったら、自然好き、時代的建築好きに相当受けるんじゃなかろうか。ぜひツアコンをやりたいものだ。

浜野佐知監督が来てらして、上映前にあいさつされ、上映後はサインをされていたので、私もしていただいた。
私の名前も書いていただけるとのことで、名前を聴かれて「たくや」と答えて、「手偏に石」と思った瞬間「ひょっとしてこれ?」とその字を書かれた。「也」の方も「何円也」の「なり」って言おうとしたら、もう書いている。心が読めるのか?そんなことができてもおかしくないような、感受性の強そうな方だった。
写真は、パンフ(サインしてもらった)と、赤っぽいのは漫画化した小説である。

鳥取県が協力したので鳥取先行上映のようで、これから全国で放映されるかもしれない。上記の「難解系」監督が好きな方にはぜひ見て欲しい。赤い表紙の漫画(1,000円)が売ってあったらそれも買うべし。同じものを全く違う世界観で描いてあって、「なるほどこれも世界の裏表」と納得できる。
タグ:日記
posted by tak at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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