2007年05月18日

2台ピアノとパーカッション

bartok2piano1.JPG bartok2piano2.JPG

バルトークの作品に、「2台のピアノと打楽器のためのソナタ」という曲と「2台のピアノと打楽器のための協奏曲」という曲があるのは知っていたが、後者は前者の編曲版だとは、不覚にもこのCDで初めて知った。
ソナタは1937年の作曲、協奏曲は1940年の編曲である。最近ではソナタの方しか演奏も録音もされないのではなかろうか。

ソナタの方は何度か聴いたことがあるが、なんともとっつきにくい名曲(?)である。
リズムは不安定で、8分音符単位で4+2+3なんてリズムで進むところもある。
音響的にもソナタの方は減衰音がほとんどなので、なんとも骨と皮だけみたいな殺風景さがあって面白い。コンチェルトの方は、ピアノが弾く和音をオケが弾きのばすというようなシンプルな編曲になっていて、ちょっとゴージャスな感じでよい。

ラベック姉妹の演奏は、なんとも素晴らしい。この複雑なリズムを、当たり前のようにきちんとノッて弾いている。そしてこの殺伐とした曲を歌心を持って弾き、リリカルな音響が立ち上がってくるのである。
パーカッションは、もっと上手く弾ける要素はあるんじゃないかなあと思う。

面白いのがこのCD、ジャケットはオランダで印刷、CDはなんと日本プレス、なのにMade in the UKなんて書いてある。
ジャケットとディスクをケースに収めたのがイギリス?

このCDが出たのは1986年のようだが、何と今でも、ヨーロッパ盤、国内盤ともこのカップリングのまま現役盤である。確かにこの2曲の組み合わせのCDは他にないようだし、資料的価値も高く、演奏も良い。長く聴かれるべき名盤である。

ちなみにこのCDを買ったのは大阪駅前第1ビルのWalty堂島。ここの中古盤はいつでも掘り出し物があるのでうれしい。


Béla Bartók
Concert for two pianos, percussion and orchestra, Sz.115
City of Birmingham Symphony Orchestra
Simon Rattle
1985.9, Warwick Arts Centre

Sonata for two pianos and percussion, Sz.110
1985.9, No.1 Studio, Abbey Road, London

Katia & Marielle Labèque, pianos
Sylvio Gualda & Jean-Pierre Drouet, percussion

EMI
ラベル:バルトーク EMI
posted by tak at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | バルトーク・ベラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月10日

ショルティのバルトーク

solti_bartok.JPG

ショルティの芸風を、ずっとアンサンブルをぎちぎちに固めて、ギンギンにでかい音で演奏させるだけの指揮者だと思っていた。たとえば、晩年のベルリン・フィルとのリヒャルト・シュトラウスとかシカゴとのブルックナーはそんな感じだった。
しかし、高校生の頃知人の家で聴いたブルックナーの9番はやわらかい演奏だった記憶があって、このバルトークはまさにその「やわらかい」演奏だった。ただし、81年録音のものだけ。

音量がそれほど大きくない部分での表情が濃密で、アンサンブルがねっとりと絡み合い、音の行間に雰囲気が漂う。
舞踊組曲では「ノリ」を感じさせる。
木管のソロは常に美しい。音程は常に良い。
オケコンの5楽章の冒頭の速いフガートとか、アンサンブルが完璧というわけではない。むしろきちんと合わせることに力点を置いてないように感じる。
金管の活躍する場面では強烈なフォルテでその力量を十分に発揮させている。まさに胸のすく演奏だ。
結局のところショルティもヨーロッパの人間だということなのだろう。とくに管楽器のソロが活躍するような場面で、微妙なテンポの揺らしやアーティキュレーションを示唆することで、「バルトークらしさ」を現出せしめているようだ。

弦チェレではそういったことが少し希薄になっていて、代わりに「ギンギン」度合いが強くなっている。

ショルティのこの「柔らかさ」の部分は他の曲でも感じられるだろうか。晩年の演奏でも、シカゴとのマイスタージンガー全曲は、「柔らかい」演奏だった。マーラーの悲劇的など、常に「ギンギン」の演奏として語られるが、本当なのかな。一度ちゃんと聴いてみなければ。


Sir Georg Solti
Chicago Symphony Orchestra

Béla Bartók
Concerto for Orchestra, Sz 116
Dance Suite, Sz 77
1981.1
Music for Strings, Percussion and Celesta, Sz 106
1989.2-11

Orchstra Hall, Chicago. DECCA
posted by tak at 01:05| Comment(1) | TrackBack(0) | バルトーク・ベラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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