2007年01月14日

フェリシティ・ロットのプーランク

lott_poulenc.JPG

フェリシティ・ロットに注目するようになったのはいつからだろうか。大学生のころであることは間違いない。ハイティンクがコヴェントガーデンを指揮したブリテンの「ピーター・グライムズ」あたりが最初だろうか。あまりに爽やかな歌い方にメロメロになってしまった。
イギリスの歌手であるが、フランスの音楽への適性もバツグンである。

プーランクは、まずフォルラーヌ・レーベルで、グレアム・ジョンソンと1枚録音している。これが絶品。
そしてこのDECCAの1枚。DECCAはさらに男声の曲を1枚分録音し、フォルラーヌの音源を買い取って、3枚組みのCDを出し、それが現役盤ではないかと思う。なあんて予想で書いて、HMVで調べると、現役なのは元のフォルラーヌ盤のみ。これだからメジャー・レーベルは信用ならない。

さてこの2枚、ぼうっと聴いているとかなりスタイルが似ている。録音の仕方が似ているというのもある。
それでもよく聴けばかなり違うことがわかる。それはすなわり、グレアム・ジョンソンとパスカル・ロジェのスタンスの違い。
グレアム・ジョンソンの演奏は、手前にフェリシティ・ロットがいて、奥にピアノが位置する。ピアノのタッチはあくまでも柔らかく、丁寧で、よりそい、歌の魅力を高めている。1+1=2の音楽。
パスカル・ロジェは、横並び。1+1=1+1の音楽。これは「競演」だ。ピアノが饒舌に存在感を示し、歌と対等の立場を占めようとする。もちろん邪魔ではないが、奥床しくはない。
これはどちらのCDにも収録されている"Trois Poémes de Louise Lalanne"を聴き比べるとよく分かる。
結論から言えば、やはり私はグレアム・ジョンソンの伴奏に惹かれる。彼の伴奏の前ではフェリシティ・ロットの歌もずいぶん格調高く聴こえるのだ。それは伴奏がそのような歌唱を自然に引き出しているからに違いない。

いずれにしても、歌曲としてのアプローチのフォルラーヌ盤、シャンソンとしてのDECCA盤という2つの面を表現したこの2枚はプーランクの歌曲の魅力を十全に伝える貴重な録音である。ジャケットの写真もそのような方向性を表現しているように感じる。

ちなみに、フランスのフォルラーヌがイギリスで録音し、イギリスのDECCAがフランス語圏のスイスで録音しているというのも面白い。伴奏者の都合だろうか。

Hommage à Francis Poulenc
Felicity Lott
Graham Johnson
FORLANE, 1994.2, Rosslyn Hill Chapel (London)

Poulenc Mélodies
Felicity Lott
Pascal Rogé
DECCA, 1996.2.6-10, Châtonneyre Hall, Corseaux, Switzerland
ラベル:ロット
posted by tak at 00:43| Comment(0) | TrackBack(0) | フェリシティ・ロット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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