2007年03月17日

フランツ・シュミット、3つ目のクインテット

franzschmidt_quintettinA.JPG

なんとも破天荒な曲である。
室内楽で全5楽章60分。そのうち第2楽章はピアノソロ。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」でも楽章はたくさんあるけどソロはなかったような気がする。しかもあの曲は50分。

フランツ・シュミットに出会ったのは交響曲第4番が最初だが、この曲が次くらいではなかったかと思う。大学時代にこのCDを買ったのだ。買った理由はフランツ・シュミットであることと、60分という長さだった。聴いてみるとなんとものんびりとしつつも魂の深淵を感じさせる魅力的な曲で、あっという間にはまってしまい、それ以来もう何度このCDを聴いたことか。
幸いなことに演奏が優秀で、何度聴いても飽きない。奏者は全くほかで目にしたことのない名前の人ばかりなのだが、本当に上手い。スロヴァキア・フィル関係者だろうか。

今日聴き比べて気が付いたが、この曲の第4楽章はもう1曲のクラリネット・クインテットの第2楽章と全く同じに始まる。なんとなく似ていると思っていたが、同じとはね。もう1曲の方では盛り上がったところでスケルツォに移行して肩透かしっぽいが、こちらではさらに魂の深淵に近づいていく。

ちなみにジャケットの絵はスロヴァキアのブラティスラヴァ。フランツ・シュミットの生地である。録音も同じくスロヴァキアである。

ところで、フランツ・シュミットのクインテットのピアノパートはすべて左手のために書かれているが、これはパウル・ヴィトゲンシュタインに委嘱されたためである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%88%E3%82%B2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3


Franz Schmidt

Quintett für Klarinette, Klavier, Violinen, Viola und Violoncello A-Dur (1938)

Klarinette: Andár Jánoska
Violine: Stanislav Mucha
Viola: Alexander Lakatos
Violoncello: Ján Slávik
Klavier: Daniela Ruso

1990.12.17-20, Moyzes Hall, Slovak Philharmonic
MARCO POLO
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2007年03月16日

フランツ・シュミット、2つのクインテット

franzschmidt_zweiquintett.JPG

フランツ・シュミットは、ブルックナーの弟子でマーラーのライバル。シェーンベルクと同じ1874年生まれ。
ピアノ五重奏曲とクラリネット五重奏曲が1枚に入ったディスクである。演奏者はウィーン・フィルの奏者など、ビッグネームばかり。

この2曲では、やはりピアノ・クインテットのほうが好きだな。クラリネット・クインテットならA-Durの方がよりよく書けていると思う。
それでも、この演奏ではアルフレート・プリンツが吹いているだけあって、無視してはいけない。2楽章で「一音入魂」的な素晴らしい音が聴けるところがある。

しかし、この時代にしてこのふわふわ漂うようなリラックス感は珍しい。大戦間で、世の中はどこもぴりぴりしていたのだろうに。
ちなみに、ピアノ・クインテットは普通の4楽章形式。クラリネット・クインテットは3楽章形式なんだが、2楽章のLentoのあいだにスケルツォ的なアレグロ・ヴィヴァーチェが差し込まれるという変則的な形式になっている。
同じように交響曲第2番でも第2楽章の変奏曲にスケルツォが融合しているなんてのもある。保守的な形式の中にもいろんな試みを用いているのだ。
Wikipediaには、革新派からは保守的と見られ、保守派からは和声やリズムが複雑すぎると見られ、どちらからもあまり評価されなかったなんて書いてある。なるほどなあ。それでも最近はディスクもたくさん出てきて、めでたいことである。

ところで、ジャケットの絵はフランツ・シュミットの肖像画なんだが、サインにKamperとある。まさかヴァイオリンを弾いてるアントン・カンパーかな。Kamperの前のイニシャルがMに見えるので、なんとも言えないが。
解説によれば、アントン・カンパーはフランツ・シュミットの下で勉強していたことがあるらしいので、あながち間違いでもないかもね。

追記:アップしてから気が付いたけど、クラリネット・クインテットの1楽章って、ブルックナーへのオマージュなんですね。交響曲第9番第3楽章冒頭の9度音程が引用されてます。



Franz Schmidt

Quintett für Klavier, 2 Violinen, Viola und Violoncello G-Dur (1926)
Quintett für Klarinette, Klavier, Violinen, Viola und Violoncello B-Dur (1932)

Klavier: Jörg Demus
Klarinette: Alfred Prinz
Violine: Anton Kamper, Werner Hink
Viola: Ferdinand Strangler
Violoncello: Werner Resel

1964.12, Palais Schönburg in Wien
Preiser
posted by tak at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | フランツ・シュミット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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